一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ターコイズSでスマイルカナと連覇に挑みます
2021/12/16(木)
先週は勝つことができず、2頭の5着が最高着順。マイネルシトラス(3人気)は前走が東京1400mとあって、距離短縮の最内枠でかみ合わなかった印象。ごちゃつくのを避けて下げたこともあり、切り返しが多い競馬になってしまいました。同コースの続戦であれば、慣れが見込めると思っています。ヒットザシーン(8人気)は頑張っていますが、この馬とすれば時計が速かったかもしれません。相手関係と馬場状態ひとつで前進が見込めます。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。ターコイズSのスマイルカナは馬の雰囲気でいえば勝たせてもらった昨年と遜色ありません。先週にも状態の良さをお伝えしましたが、今週の動きも申し分なかった。作戦は枠順が出てから練りますが、相変わらずスタートが速いので主導権は握れるはず。スピードと地力を信じて、馬が気分良く走れるようにエスコートしてあげたい。ここのところの着順を帳消しにするべく連覇を狙います。
2Rのガイフウカイセイは気難しいところがあるので、色々と工夫を凝らして調教しました。とりわけ今週はしっかり動けており、力さえ出せれば前走ほど走れない馬ではありません。7Rのコスモナビゲーターの前走は行き脚がついて、着順ほど内容は悪くなかった。東京なら中山向きだと思うので、距離延長と相まって前進があるはず。9Rのコウキは一度使ってのテンションが心配でしたが、厩舎サイドが工夫してくださって、上手く調整できています。反応がさらに良くなっているので、まだ時計を詰められるはず。思い入れもある馬なので連勝を狙いたい。
日曜も中山で7鞍に騎乗します。2Rのブレイクは2戦目でダート替わり。素直で一生懸命に走ってくれるので、適性さえあれば前進できるはず。3Rのシェーネンタークは使って上向いてきそうなタイプ。初戦は1600mで忙しい感じもあったので、慣れと距離延長で前進がありませんか。
6R(2歳新馬)のノワールランスは続けて追い切りに乗せていただいており、仕上がりは申し分ありません。気持ちが前向きで、しっかり動けています。ダート1200mもマッチしそうで、初戦から走ってくれるタイプだと思います。7Rのコスモマーチはなかなか雰囲気があって走ってきそうな馬。ダートから芝替わりになりますが、マッチしそうで密かに楽しみにしています。11Rのソッサスブレイは2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、相変わらず調子がいいです。ここ2走は重賞で相手も強かった感があり、オープン特別なら巻き返せるだけの馬。展開が向いてくれればチャンスもあるはず。
今週月曜はAAAのコンサートに行ってきました。本当は昨年12月のはずだったのですがコロナで1年延びて、活動休止前となる15周年の振替ツアー。家族4人で素晴らしい時間を共有させてもらいました。そして、競馬の嬉しいお知らせも。28日(火)のホープフルSにアケルナルスターが登録しました。1勝馬ではありますが、フルゲート割れしているので出走可能。この馬の調教には跨ったことがなく本番ぶっつけになるも、前走の勝ち方が強烈だっただけに今から楽しみです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。