一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
最終日に弾みをつけたいです
2021/12/23(木)
先週も勝つことはできませんでしたが、ソッサスブレイ(15人気3着)が頑張ってくれました。かねてから調子が良く、理想的な枠順だったのでこのくらいは走れる感触がありました。オープン特別の適鞍ならと思っていたので、あとで人気を知ってむしろ驚いたくらいです。サパテアール(10人気3着)は調教からブリンカーを着けるなど、追い切りを工夫していました。競馬で乗るのは初めてだったのですが、嬉しい変わり身でしたね。ターコイズSのスマイルカナ(9人気15着)は2番手で納まって早めに外から来られても我慢できていました。これならと思っていたタイミングで追い出すとサッパリ。本来はしぶとさが持ち味なのですが、苦しいところから頑張れなくなっています。状態は悪くないだけにもどかしさを感じる敗戦でした。
この土曜は中山で4鞍に騎乗します。2Rのスターエメラルドは気持ちが入っていなかった初戦でも内容は悪くありませんでした。一度使ったことで自分から進んで行くようなピリッとしたところが出てくれば前進が見込めます。3Rのセッタレダストは難しいところがある馬なのですが、間隔を空けたことで「乗りやすくなっている」と厩舎サイドから聞きました。上手にさえ走ってくれれば能力は秘めています。9Rのナンヨーローズの前走は、初ダートが合わなかったのだと思います。調教の動きは抜群なので、芝の適鞍で流れに乗せてあげれば大きく変われそう。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。1Rのインヘリテッドラヴの初戦は気持ちが向いていなかった印象。競馬を経験したこととダート替わりによる前進に期待したい。2Rのフランドルブリエはゲート試験や追い切りで何度か跨っています。競馬に乗るのは初めてですが、これまでの着順ほど負けるようなイメージの馬ではないんです。距離延長で臨むダート1800mがかみ合ってくれませんか。 12Rのラストリージョの前走はキッカケを掴めたであろう内容。同じ条件の続戦もいいと思うので、ロスなく立ち回って更なる前進を狙います。
この年末にかけてはいつも以上に調教に跨っており、あっという間に最終週を迎えてしまいました。休日は大掃除と年賀状に追われながら、師走の慌ただしさを思い出しています。この土日の競馬が終われば28日(火)の最終日を残すのみ。自分にとってはホープフルSのアケルナルスターが大一番なので、一戦一戦を大事に乗りながら弾みをつけたい。今年最後の更新は27日(月)の早めの時間帯を予定しています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。