一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
3日間開催は中山で騎乗します
2022/1/6(木)
2022年の初日はマイネルシトラス(1人気3着)が最高着順でした。課題だったゲートをクリアし、いい競馬をしてくれたと思います。惜しむらくは前が止まらない展開となり、着差を詰めながらも捕えきれなかったこと。悲観する内容ではありませんでしたが、自分から動けるもう少し外めの枠順ならより際どかったかもしれません。ヒットザシーン(7人気4着)も前走に続き最後まで一生懸命に走ってくれています。強いメンバーにこれ以上ない走りをしており、もはや相手関係ひとつという段階です。中山金杯のコスモカレンドゥラ(11人気17着)は連闘でも元気でしたが、1コーナーで外から押し込められて位置を取れなかったのが痛かった。そのせいもあって、遅い流れから急に速くなる緩急に対応できなかった感じ。色々とかみ合わずに残念な着順になってしまったものの、敗因自体は掴めています。
恒例の3日間開催、土曜は中山で4鞍に騎乗します。2Rのセッタレダストは前走も着順ほど内容は悪くありません。状態が上向いている中でダートへの衣替え。大きく変われて不思議ではないと思っています。6R(新馬)のマイネルホリゾンテは続けて追い切りに乗せていただいています。年末に除外で延びているものの、1本多く追えたのはむしろプラス。非力な面があるため馬場状態が鍵になりそうですが、仕上がり面に関しては自信を持てます。9Rのコスモルーテウスは競馬で初めて乗りますが、これまでのレースを見る限りでは相手なりでダートも合ってそう。休養がいい方に向いてくれれば昇級でも差がないイメージです。
日曜も中山で4鞍に騎乗します。3Rのノワールランスは前走後も好調をキープしつつ順調にきています。慣れと上積みでどれだけ時計を短縮できるか。6R(新馬)のマイネルニコラスは兄弟にお世話になっていて思い入れがある血統。上に比べても大型でドッシリしていて、ここまで順調に攻めてくることができました。使えばより上向きそうですが、現時点でもいい競馬ができると思っています。7Rのアイアンゾーンは毎回、自分の力は出してくれる馬。コンスタントに使っていたので、この休み明けがいいほうに向いてくれませんか。12Rのコスモヨハネは明け10歳馬も若々しくて元気一杯。腹痛などで間隔こそ空きましたが、状態は問題ありません。時計面と展開がかみ合えば、まだまだ掲示板に入れるチャンスがあります。
祝日の月曜も中山で3鞍に騎乗します。3Rのサパテアールは木曜に追い切りをやりましたが、ブリンカー効果で集中しています。前走も好時計で走れており、相手関係ひとつで勝ち負けまでありませんか。5Rのフィルクローバーは気性面が難しいと聞いていますが、能力は秘めてそう。しっかりと研究して、いい面を引き出してあげたい。
今日(木曜)は調教が終わったくらいにパラパラと降り始めた雪が、あっという間に本降りに。土曜の競馬が心配になるくらい積もってきてしまいました。何とか予定どおりに開催ができることを祈ります。あっという間といえば新型コロナもそうですね。全国で9月半ば以来となる4000人の感染者を超えたというニュースを目にしました。こんな時こそ3連休はご自宅での競馬観戦を自粛ツールにしていただきたいもの。自分は正月のドラマ特番を録り溜めしたので、次の休日は事欠かなそう。緊急取調室を観るのが楽しみです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。