一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週で両目を開けたいです
2022/1/13(木)
3日間開催はマイネルニコラス(3人気)で勝つことができました。兄弟にも乗せていただいて思い入れがある血統なのでホッとしています。とても操縦性が高くて初めての場所にも物怖じせず、スローでも折り合い良く指示にも従順で、何も言うことがない内容でした。まだ体に緩さがある中で勝ち切ってくれたので、先々が本当に楽しみ。距離が延びるのも問題ないと思います。追い切りを重ねてもテンションが上がらずにデビューできたので、2戦目に向かうにあたっても心配事が少なそうなタイプです。
初めて乗せていただいたミニョンルミエール(10人気3着)は、レース前にお母さんで新馬勝ちさせてもらっていたことに気付いたんです。懐かしさを持ちつつ臨みましたが、次に繋がる内容で頑張ってくれました。サパテアール(3人気3着)は一度出たのですが最後に差し返されてしまいました。人気薄での好走後でしたが、自分でペースを作ってこれが本来の力であることを証明できたと思います。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。
4R(新馬)のマイネルシデンは今週の追い切りに乗せていただきました。気持ちが前向きで、今の馬場に合いそうなパワータイプ。少頭数の流れもかみ合いそうなので、現時点の仕上がりで頑張れると思います。5Rのブルボンティアラは枠順や展開にも左右されそうですが、ロスなくソツなく乗りたい。時計のかかる馬場で、もう一歩前進できませんか。
6Rのマイネルエンカントは自分で競馬を作れないので、前が流れてほしい。4走前が示すように、このコースで展開がかみ合えば十分に着順は上げられます。8Rのマイネルイリャルギは真面目で気持ちが入りすぎるので、今回は競馬でもメンコを着けてもらうことにしました。そのあたりがいいほうに向いてくれれば、もっともっと走れるはずの馬です。11Rのマイネルジェロディは引き続きいい状態と聞いています。気を付けないといけない面は手の内に入れており、昇級でも同じコースのハンデ戦なら十分にチャンスがあります。一気に軌道に乗せてあげたい。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。5Rのチューウィーの前走は東京コースで時計が速すぎた印象。むしろ時計がかかる中山向きのイメージがあるので、マッチしそうな今の馬場なら変われると思います。9Rのフォースオブウィルは去勢明けで初めての1200m。距離は善臣さんの助言で追い切りの動きも悪くないのですが、競馬でどう出るかが読めない部分はあります。力がある馬なので、久々の騎乗を楽しみにはしています。12Rのラストリージョはロスなく行きたいところなので、内目の枠順が理想。今の馬場で枠と流れがかみ合えば巻き返せるイメージは持っています。
3日間開催が終わってひと段落のタイミングがあったので成田山新勝寺に初詣に行ってきました。10日を過ぎての平日にしては混んでいましたが、ここのところ自分にとってのパワースポットなので御利益を思えば人気も頷けるところ。体が動いておりチャンスのある馬に乗せていただけるので、少なくとも今週で両目を開けてしまいたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。