一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝手知ったる馬の持ち味を引き出したい
2022/6/16(木)
先週は新馬のスコプルス(4人気3着)が最高着順。平常心で臨めたのが何よりで、調教でやってきたことがしっかり実戦に結びつきました。あの内容であればチャンスをすぐに掴めると思います。チューウィー(4人気4着)は状態をキープしつつ一生懸命に走っています。馬場と展開ひとつの段階なので、次走で何とか勝利に導いてあげたい。初めて乗せていただいたヴェラフォルツァ(7人気5着)は東京コースのダートも距離も合っていました、大分感触を掴めたので、この馬も次走が楽しみです。
この土曜は東京7鞍に騎乗します。2Rのピンクコーラルは今回でキャリア4戦目。前走に乗せていただいて次に繋がる内容だと感じだので、同じコースで当時(5着)以上を期待しています。3Rのナンデフェスティヴは中間の追い切りに乗せていただいて癖は把握しています。距離1300mはベストではないでしょうか。最後が少し甘くなる印象なので、それを補うような乗り方を心掛けたい。4Rのマイネルシデンの前走は初芝を上手に走ってくれました。色々な展開に対応できそうなセンスも感じたので、改めて一発を狙って乗ります。
5R(2歳新馬)のマイネルフォルツァはずっと調教に乗せていただいており、ひと追い毎に動きが良くなって仕上がり良好。使えばさらに上向くのでしょうが、現時点でどこまで走ってくれるのか楽しみなデビュー戦です。6Rのタクティーレンは着順を下げた前走でも内容は悪くありません。枠にもよりますが、モマれずにスムーズな競馬ができれば巻き返せる感触を持っています。12Rのコスモアシュラは昨年末以来の騎乗ですが、近走の競馬を見返したところレース振りに成長を感じます。欲を言えば時計がかかって欲しいのですが、十分にチャンスがある舞台なので頑張りたい。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。2Rのルピコラはここ2戦で安定した競馬ができています。枠順と展開ひとつだと思いますので、ロスのない立ち回りで勝利を目指したい。4Rのランプロティタは今週の追い切りに乗せていただきましたが、中1週でも疲れなく元気一杯。好内容だった前走と同じ舞台で走れるのも良さそうですね。9Rのマイネルステレールの前走はよーいドンの展開がかみ合わずも一生懸命に走っています。少頭数のハンデ戦で54キロは何よりなので、ロスなく乗って持ち味を活かしてあげたい。
今週は休日に伊豆の下田あたりまでドライブ。下田公園のあじさいに癒されて、天城越えを歌いながら浄蓮の滝でマイナスイオンを浴びてきました(笑)。天気も悪くなく、いい気分転換になりました。苦戦してきた東京開催も残り2週。験を担いだリフレッシュ後は結びつくことも少なくないので、勝手知ったる馬たちと勝利を手にできるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。