一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
【続】今週の新馬も楽しみです
2022/7/14(木)
先週は期待していた新馬で2勝することができました。マイネルズーメン(4人気)はゲート試験から付きっ切りでやらせていただいていた馬で、結果に結びついて何より。正直なところ自信はあったので、勝てたというよりもホッとしました。まだ遊びがある走りをしているので、距離にも対応してくれそうです。シルヴァーゴースト(4人気)は直線狭い所に入っても躊躇することなく、追ってからの反応が凄く良かった。素直で従順なタイプなので、この馬も距離の融通が利きそうです。ヒメゴゼン(5人気2着)は自分のリズムが良かった勢いで勝たせてあげたかったですが…。着順以外は文句のない内容だったので、中1週予定の次走で何としてもの思いです。
この土曜は福島で4鞍に騎乗します。2Rのクロミチャンは少し間隔こそ空きましたが、追い切りの動きは良かった。福島コースにさえ対応させてあげれば、引き続きの牝馬限定戦で能力は上位だと思っています。5R(2歳新馬)のフェアエールングは今週の追い切りに乗せていただきましたが、いい仕上がりです。重たい馬場を苦にせず走れていたので、週末の雨予報でも心配なく臨めます。6R(2歳新馬)のワクワクルンルンは小柄ながらも力強い走り。坂路のみの仕上げなのでコースへの対応が鍵ですが、調教だけ動いてくれればいい競馬になるはず。9Rのケッツァーはタイプ的に少頭数になるのはプラス。上手く流れに乗せて、上がりのかかる競馬に持ち込んであげたい。
日曜も福島で8鞍に騎乗します。2Rのアントルメグラッセは新馬を使った上積み大。コースも2回目で前進させてあげられそうな感触です。5R(2歳新馬)のエリダヌスは2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、素晴らしい動きをしています。牝馬同士で福島コースも合いそうなので、調教どおりに走ってくれれば勝ち負けになるはず。6R(2歳新馬)のサンガルガーノもしっかり乗り込めており力を出せる仕上がり。早い段階で勝ち上がった半兄のコスモカッティーボに似た走りをするので初戦から楽しみにしています。
7Rのコスモエクスプレスは距離が延びた前走で良さを見せてくれました。福島1800mにさえ対応してくれれば、もういつ勝ってもという段階まできています。9Rのシナモンスティックは1400mの前走で文句なしの快勝。1200mは気持ち忙しいものの、2走前で対応はしています。斤量面とデキの良さを活かして連勝を狙いたい。11Rのコムストックロードは51キロで出走可能。やや1200mは忙しいイメージですが、2走前に重賞2着で平坦コースも合いそう。新馬から乗せてきていただいた馬でもあり、力が入るメインレースです。
今週月曜は日帰りでセレクトセールの1歳セッションに足を運んできました。2年振りの来場でしたが、ディープインパクト産駒がいなくなっても、まあ凄い高額のセリでしたね。久しぶりにたくさんの馬主さんにご挨拶できたことが、何よりも嬉しかった。「いつもここで一緒に座りながら見せていただいていたな…」と、岡田繁幸さんのことを思い出してしまいました。どの馬がいいのかは繁幸さんの解説なしでは分かりませんでしたが、場の雰囲気でモチベーションは上がりました。このセール出身馬に騎乗させていただけるように自分も精進していきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。