一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
4頭の新馬に乗せていただきます
2022/10/13(木)
東京開幕週の3日間開催は厳しい成績でした。雨の影響で脚抜きが良かったダートは前が止まらずも、芝は敷き詰めた絨毯のように物凄くいい馬場でした。芝丈が長くないので土曜は稍重スタートでも時計が出ていましたし、適性面で苦戦してしまったという印象。今週はより絶好の馬場コンディションとなりそうですが、存在感を示せるように全力を尽くします。
この土曜は東京で5鞍に騎乗します。1Rのマイネルナラティヴは連闘になりますが、初戦が刺激になってもう少し走ってくれそうな印象。金曜からは天気も良さそうなので、少しでも乾いたダートでやらせてあげたい。3R(2歳新馬)のピンキープロミスは続けて追い切りに乗せていただいています。追う毎に動きが素軽くなっており、とりわけ今週の感触が良かった。金曜朝にゲートの最終チェックを行いますが、しっかり出して流れに乗せてあげればいい競馬になるはず。
5R(2歳新馬)のコスモアンテロースは金曜朝に初めて乗せていただいて、感触を掴んでから競馬に臨みます。10Rのシナモンスティックは1勝クラスを同じ東京1400mで勝っています。使って上向くタイプなので休み明けが鍵になりますが、クラスに目途を立てるレースにしてあげたい。
日曜も東京で6鞍に騎乗します。3Rのタイシャククリゲの前走は初ダートで追走に苦労してしまいました。芝に戻って距離延長というのはいいほう向きそう。適性さえかみ合えば走ってくれるはずの馬です。
5Rのシナモンは中間に乗せていただいていますが、とても素直で軽い動きをしています。ゲートの出も速くて新馬向き。初戦から力を出してくれるはず。11Rのヴァンランディは1週前追い切りに乗せていただきましたが、さすがの乗り味でいい動きでした。これまでのレースも研究していますが、前が止まらない馬場への対応が鍵になりそう。メインまでの傾向を踏まえつつ、よく考えて乗りたい。
初騎乗の馬が多いため見通しを書ける頭数が少なくてすみません。その分、色々な馬主さんの馬に乗せていただくので、感謝の気持ちを結果で示せるように頑張ります。今週から新潟競馬も開幕しますが、引き続き東京に腰を据えて乗っていく予定です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。