一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
パワーチャージされました
2022/11/10(木)
先週はピンキープロミス(4人気3着)が最高着順。まだまだ課題を残しつつも馬がデビュー戦を覚えてくれていました。牡馬混合で相手が揃っていたことを思えば収穫ある内容で、勝利に一歩近づけたと感じました。
この土曜は東京で3鞍に騎乗します。3Rのマイネルパーヴェルの前走は、使った効果と距離延長で行きっぷりと競馬の形が良くなりました。追ってからもう一段ギアが上がってほしいところが課題となりつつも前進に期待しています。
6Rのガトーフレーズは1勝クラスに入ってから苦戦しています。追走面から距離が延びるのは歓迎なので、少しでも展開が向いてほしいところです。10Rのシナモンスティックの前走は間隔が空いて、状態的に万全ではなかったという印象。少し上向いたとは聞いていますが、あのひと叩きで本調子まで戻れたのかどうか。まともなら3勝クラスでも足りるはずの馬なので、上昇度がカギになると思っています。
日曜も東京で8鞍に騎乗します。2Rのフェスティヴビームの初戦は着順(7着)以上の内容だったと思います。使った後は動きもより軽くなってきたので、楽しみにしている2戦目です。
3Rのパダノベネタはデビュー前からゲート試験や調教に乗せていただいています。軽くて走ってきそうですが、まだ小柄で体力面に課題がありそう。牝馬限定戦で目途を立てたいところです。7Rのジョットは転入緒戦の前走内容が悪くなかった。同じコースの続戦なので、上手くタメを利かせたいですね。
8Rのコズミックマインドは夏の新潟戦以来。当時(6着)のように展開がかみ合ってくれれば、人気以上に走れる脚力は持っています。9Rのオーマイガイは関西馬ながら、叩き2戦目で有難い継続依頼。この条件が合っているのは間違いないので、いいイメージをそのまま結果に繋げたい一戦です。
10Rのアインゲーブングはデビュー当時から久々に乗せていただきます。使いつつ力をつけているので、ロスなく乗って3勝クラスにも目途を立ててあげたい。とにかく1800mでは乗りやすそうで堅実な印象があります。12Rのシベリアンタイガーは春に乗せていただいて、11歳馬ですが頑張ってくれました。流れが向いてほしい面はありますが、積極策でひとつでも上の着順を目指します。
今週は当コラムでは恒例になっている葉加瀬太郎さんのコンサート(渋谷オーチャードホール)に行ってきました。毎年書いている気もしますが、今回が一番の仕上がりに思えたほどで、演出面に更なる進化を感じました。業種こそ違えど刺激をいただけて、励みになるような素晴らしい演奏でした。中間の休憩中には外で皆既月食も見ることができて、こちらも神秘的でパワーチャージができた火曜の夜でした。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。