一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
あっという間に師走の中山開幕週
2022/12/1(木)
JCウィークは今年の東京最終週ということもあり、何とかいい結果で締めくくりたかったのですが、着順的に存在感を示すことはできませんでした。乗せていただいや馬達はそれぞれ頑張ってくれているのですがね。2場開催で外国人騎手と関係者が多く、この週の雰囲気は本当に独特。いつになってもジャパンカップは憧れのレースです。そこに騎乗するという目標をまだまだ諦めずに励んでいきたい。
開幕週の土曜は中山で3鞍に騎乗します。9Rのマイネルビジョンに乗せていただくのは新馬3着以来ですが、かねてから中山コースが合いそうだなと思っていた一頭。先行力があって競馬が上手なタイプなので、開幕馬場を味方に結果を出したい。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のコスモリボルブはゲート試験から続けて追い切りに乗せていただいています。ひと追い毎に動きが素軽くなっており、良くなる余地を残しながらも好仕上がり。現時点でどこまで頑張ってくれるか楽しみな初戦です。
9Rのフォースオブウィルは前走からひと息入れてフレッシュな態勢。今回はチークピーシズを着けて臨むのですが、調教ではいいほうに向いているという感触。金曜朝には課題があるゲート練習もする予定。乗せてきていただいた中でも状態には太鼓判を押せるので、巻き返しに力が入ります。12Rのコスモスタックは着順的に案外でも、力を秘めているといつも感じるんです。距離延長になりますが、ゲートを決めてリズム重視で走らせてあげれば能力面での差はありません。
あっという間に師走競馬ですが、例年に比べるとトレセンの朝もそんなに寒くありません。乗り出すとすぐに日が出て気温が上がるので、本当に年末が近づいているのかと思ってしまうほど。今開催も例年どおりに中山で乗っていきます。開幕週こそ少なめの騎乗数ですが、何頭かは勝たせないと年を越せない意気なので、リズムを掴んで来週以降に繋げていきたい。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。