一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
リズム良く競馬に向かえています
2023/2/2(木)
東京開幕週はマイネルニコラス(5人気)で勝つことができました。自分が乗せていただいたのは昨年3月以来だったのですが、緩さが解消された馬の良化ぶりがそのまま結果に反映されたという印象。楽に位置を取れて揃っていたメンバーに入っての完勝だったので、ここを使った上積みと相まって昇級する次走も楽しみになりました。
ビップスコーピオン(4人気3着)は中間から着けたパシュファイヤーとコース替わりがレースに結びつきました。強気に攻めるとあの脚は使えなくなりそうなところがありつつも、さじ加減が分かったような気がしています。次走はもうひと工夫して乗りたい。ヒラリーステップ(11人気4着)も焦らすと良くないので東京コースがマッチしました。ここで適性を見出せたのは先に向けて収穫だったと思います。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。6R(新馬)のコルテローザは先週乗せていただいて素質を感じつつも、この時期にデビューするとあって頼りなさが残っています。現時点でどこまで頑張れるか楽しみですが、使いながら力をつけていくタイプかもしれません。8Rのコウキは相変らず調教で動いています。芝ダート問わずにワンターンのコースが合う印象なので、このタイミングでかみ合ってくれませんか。
9Rのシルヴァーゴーストは休み明けながら調教の動きが凄くいいです。背が伸びたことで体重が増えて出てきそうですが、自分的には成長分と見ています。新馬を勝っているようにイキナリから動けるタイプ。牝馬同士の1400mとなれば楽しみしかありません。11Rのマイネルコロンブスの前走は、着順ほど内容は悪くありません。乗ってきた気持ちを途切れさせずに持続させられればもっと頑張れそう。ハンデ戦向きでもあるので工夫してみます。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。6R(新馬)のゴールドノヴァは続けて追い切りに乗せていただいており、先週除外で多く乗り込めたのもいい方に出そう。現時点でやりたい調教はこなせているので、初戦から持ち得る力を出してくれるはず。8Rのヒットザシーンは久々の東京コースがどう出るかですが、前2走の内容が秀逸で急激に力をつけています。少頭数の牝馬限定戦なので何とかしてあげたい。
今日(木曜)は久々に川崎の交流競走に乗せていただきました。結果(パトリ 7着)こそ伴いませんでしたが、平日でもレースに乗せていただけるのは有難く、いい勉強と気分展開になります。来週水曜も船橋で乗せていただく予定があり、声がかかればドンドン遠征していきたい。交流で勝つのも今年の目標のひとつです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。