一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
NHKマイルCはミシシッピテソーロに騎乗
2023/5/4(木)
先週はピンキープロミス(5人気)で勝つことができました。しっかり追い切りをやって臨みつつも、正直なところ使ってからのほうが良くなるかなという感触でした。それでも能力の高さで差し切ってくれましたし、持ち乗りの助手さんには、レース後の乗り出し順調で早くも素軽くなったと聞いています。昇級の次走でもパフォーマンスを上げてくれそうで楽しみです。
ダイチラファール(4人気3着)は道中気を抜くようなところがあったので、改めてブリンカーを着けるなど工夫したほうがいいかもしれません。権利がある間で修正していきたいと思います。ビルドラポール(7人気3着)はデビュー当時以来の騎乗も、驚くほどにしっかりしていました。決め手の差で負けてしまいましたが、適条件を見つけつつ感触を掴めたことが何よりです。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。4Rのワビスケはここまで着順こそ案外も、今の時期の未勝利ならもっとやれていい感触がある馬。混合でも牝馬が多い組み合わせなので、そろそろ目途を立ててあげたい。7Rのシルヴァーゴーストはムラがあると言いますか、持っている力を出し切っていない印象。今回は1400mに戻して再ブリンカーなので、キッカケを掴みたいタイミングです。
9Rのアオイゴールドは今週の追い切りに乗せていただいて、改めていい馬だなと思いました。11ヶ月ぶりの今回は実戦勘がどうかというところ。叩いて上向くタイプもあるので、次に繋がるレースにしてあげたい。12Rのアルママの前走大敗の理由は分からないのですが、中間の追い切りは元気一杯。最後まで集中を切らさず走らせられれば、状態的には巻き返せると思っています。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。NHKマイルCのミシシッピテソーロは前走後から追い切りをこなしながら体が増えて、とにかく順調にきています。どの馬にもチャンスがありそうな組み合わせと言いますか、厩舎も同じでマイネルホウオウの時と似たような戦前のイメージ。当時は同じトライアル(NZT)で7着でしたから、5着のこの馬にも十分チャンスがあると思っています。上手く輸送をこなして、当日プラス6キロくらいで出られればよりパフォーマンスも上がるはず。
1Rのダイナマイトレディは前走後に疲れが出て間隔が空きましたが、今週の追い切りでしっかり態勢は整いました。初めてのコースになりますが、むしろマッチしてくれそう。 6Rのタイキマクスウェルは初めて乗せていただいた前走で感触を掴むことができています。気分良く走れないと自分から止めてしまうところがあるので、とにかくリズムを大切に乗ってあげたい。モマれない少頭数で距離延長というのは歓迎です。
先日、ドラマについて書かせていただいた直後からのスタートだったのですが、ラストマン-全盲の捜査官-は最高に面白いですね。そもそも自分は福山雅治さんのファンで、ちょいちょいLIVEにも行かせてもらっています。今年はデビュー33周年で精力的に音楽活動もされるようなので、タイミングが合いそうな公演でパワーチャージしたいところです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。