一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
調教からレースへと充実しています
2023/6/15(木)
先週はビルドラポール(9人気3着)が最高着順。時計の速い馬場が気になっていたのですが、苦にすることなく走りきっており力をつけてますね。改めて次走は力が入ります。コスモシャングリラ(3人気4着)は器用に競馬を作れないところがありつつも、かなりの能力を秘めています。今回にしても展開さえかみ合えば突き抜けるだけの脚を使ってくれました。マイネルガンナー(6人気5着)はデビュー戦だけに戸惑いながらの追走になりましたが、最後までしぶとく脚を伸ばして掲示板に載ってくれました。血統的にも楽しみな馬なので、一戦毎に成長してくれればと思っています。
この土曜は東京で7鞍に騎乗します。3Rのコスモチプリアはデビュー戦3着以来に乗せていただきます。当時を思えばその後の成績が意外なほどで、間隔を空けたことで成長があれば頑張ってくれるはず。4Rのハクサンセーブルは前走時から調教には乗せていただいています。ダートに適性を見出しており、状態の良さも把握済み。レースでは初コンビですが期待しています。
5R(2歳新馬)のグレンノアラシも追い切りとゲート練習に乗せていただきました。しっかり乗り込んでおり、気が良くて素直で初戦から力を出してくれそうなタイプです。6R(2歳新馬)のクラークテソーロは金曜にゲートからの確認で乗せていただきます。直前の感触と合わせつつ力を引き出してあげたい。
7Rのアスキステソーロは今週の追い切りに乗せていただいて、デビュー戦の内容や血統をなるほどなと思いました。長い休み明けの分がどうかも、気になるのはその部分だけで能力を感じさせてくれる馬です。9Rのコスモルーテウスは距離短縮で初の1400m。テンションが高い馬なので、落ち着かせて臨めればむしろマッチしてくれそう。
日曜も東京で5R(2歳新馬)のアオイラリュヌに騎乗します。今週の追い切りに乗せていただきましたが、前向きで初戦から力を出してくれそうなタイプ。ともあれ使えば良くなりそうな上積みも残っており、現時点でどこまで頑張ってくれるか楽しみにしています。
ここのところ調教にたくさん乗せていただいており、今週は水曜7頭、木曜5頭、金曜5頭とレースに向けて平日から充実しています。自分は調教で覚えさせた走りを競馬に繋げていくのが好きなので、とりわけ福島開催デビューに向けた新馬が楽しみ。得意コース開幕を待ち遠しく思っていますが、前述ラインナップも感触がいいので何とか東京終盤戦で勝利を掴みたいところです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。