一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
集大成にしたい夏競馬最終週
2023/8/31(木)
先程、浦和の交流競走(木曜12R)でキガサ(8人気)に乗せていただいて3着。思っていたとおりの展開になり上手くいったのですが、勝ち馬はともかく2着馬もしぶとかった。はくぼレースで馬が走りやすい気温でしたし、JRAも来夏の最終レース18時半頃発走は理にかなっていると言えるかもしれません。
この土曜は新潟で4鞍に騎乗します。2Rのフィリップの初戦は、新馬とは思えない味があるレースをしてくれました。この中間も益々快調にきていますので、このタイミングで結果を出せるように頑張りたい。
5R(2歳新馬)のキャントウェイトはここ2週続けて乗せていただきましたが、いい動きをしています。粗削りながらも能力を感じるので、輸送をこなして調教どおりに走ってくれれば楽しみがあります。9Rのマイネルデステリョは長期休養明けの前走が、まさに久々という止まり方でした。1勝クラスでも上位の力はあると思うので、使われた上積みに期待しています。
日曜も新潟で5鞍に騎乗します。6R(2歳新馬)のハニーディライトは今週の追い切りに乗せていただきましたが、真面目で一生懸命さがセールスポイントの馬。初戦から力を出し切ってくれそうなタイプなので楽しみです。7Rのハクサンセーブルは芝ダート問わずに頑張ってくれるタイプ。先週も残れるかという見せ場があり、今になってようやく力をつけてきました。ラストチャンスを何としてもモノにしてあげたい。
8Rのエクトゥシュタールは未勝利に入らずの格上挑戦。相手関係、距離延長と厳しい条件ではありますが、これまでも強敵相手にもう一歩というところまできていた馬。力を出し切れれば差はないはずです。10Rのスズノイナズマは久々の前走でも頑張ってくれましたが、厩舎サイドから当時よりも上がっているとお聞きしています。気持ちを乗せれば力はあるはずなので、今回も人気以上の走りをさせてあげたい。
夏競馬ラスト1週残すところですが、やはり勝たせてあげられなかった未勝利馬に悔いが残ります。待ちに待った来週からの中山開催でデビューを控えている新馬がおり、この世代は先々に楽しみを持てそうなタイプが多いんです。上手く育てつつも勝ちあぐねることがないように、今夏の悔しさを糧にしたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。