一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週は前半戦を盛り上げます
2023/11/16(木)
先週は2頭の3着が最高着順。パーセルペーパー(7人気)はしっかりゲートを出てくれて、スムーズに自分の競馬ができました。4着に5馬身差あったのですが、前の2頭には突き放されてしまった格好。使う毎に落ち着いて、マイペースで逃げつつも最後の直線ではまた伸びているんです。今回は相手が悪かったという印象でした。マイネルニコラス(6人気)は休み明け3走目でやっと良くなってきました。凄く落ち着きが出て、競馬に向かうまでのムードが良かった。体が楽になっているのでしょう。ここまで来ればクラス突破は時間の問題だと思います。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。3Rのアムンラーは普段からの調教や、今週の追い切りにも乗せていただきました。使った分の上積み十分で状態の良さを感じています。前走と同じコースで結果を出したい一戦です。5R(2歳新馬)のシェルターベルトも2週続けて追い切りに乗せていただきました。とても素直で操縦性が高い馬ですが、一方でまだ非力さを残しています。使いながら上向くタイプかもしれませんが、センスの良さで頑張ってくれませんか。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。2Rのラングレーヴンは、追走に苦労したので1800mへの距離延長は歓迎。前走も最後はしっかり脚を使っており、中1週の上積みと引き続き牝馬同士の対戦なら着順を上げられるイメージです。
3Rのテイキットイージーは少しずつ調教も良くなってきており距離が延びるのは良さそうなタイプ。頭数が増えるあたりがどうかですが、改めて目途を立ててあげたい。4R(2歳新馬)のカイトルビーは普段から調教に乗せていただいており、気が勝っていて初戦から力を出せそうなタイプ。上手に流れに乗せて、仕上がりの良さを活かしたい。
先週あたりから急に気温が下がって、7時の調教開始で3℃スタートという日がありました。ただ、日が出ると一気に気温が上がり、清々しい時間帯もまだあるんです。今年の夏は暑かったので馬とすればかなり快適だと思います。美浦の冬はマイナスが当たりまえなので、人間が凍えないようにこれからの時期は気合の入れ所です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。