一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
期待に応えたい東京開幕週
2024/1/25(木)
中山最終週はキャントウェイト(3人気4着)が最高着順。折り合いもついて勝負所までは悪くなかったのですが、脚が上がって思ったよりもアレッ?という止まり方。京成杯予定を1週延ばしての出走でしたが、本当に良くなるのは叩いた次走かもしれません。不良馬場は全く苦にしていませんでした。ヒラリーステップ(9人気5着)はブリンカーなどを外して、馬が苦しくならないような乗り方を意識しました。最後までヤメることなく、本来の走りをしてくれたと思います。キッカケを掴めたので次走が楽しみです。
開幕週の土曜は東京で4鞍に騎乗します。1Rのドゥグランはダート替わり2戦目。前走はあと一歩伸び切れませんでしたが、距離延長と慣れでもうひとつ前進させてあげたい。
3Rのムーステソーロは追い切りに乗せていただきましたが、他の馬を気にする面があります。レースには馬具を工夫してのダート替わりなので、そのあたりがかみ合ってくれませんか。4Rのバナマンテソーロは調教でいい動きをしていますが、競馬に行くとキックバックを気にするという話。枠の並びによりますが、位置を取って砂を被らずに運べれば十分にやれる感触です。
日曜も東京で4鞍に騎乗します。4Rのキガサは、ここ2戦で最後にしっかり脚を使えています。コース替わりがカギになるものの、東京なら2100mという馬なので上手く流れが向いてほしい。
5R(新馬)のモルトマエストーソは跨れるのが光栄という良血馬。権利なしで入ってくれたので、金曜の調教で感触を掴ませていただいてからレースに臨みます。しっかり期待に応えないといけません。9Rのコスモエスメラルダは2走前が重賞挑戦、前走は外傷があって順調ではありませんでした。この中間は予定どおりで、新馬勝ちの内容からも東京コースは合っています。少頭数の適条件となれば巻き返しに力が入ります。
今週月曜は成田のホテルで行われた了徳寺オーナー主宰の新年会に出席しました。昨年結果を残した関係者の方々に表彰などもあり華やかな席でしたが、そんなタイミングで土曜はテソーロ3頭にダート戦で乗せていただけます。こういったご縁を大切にし、感謝を結果でお応えしたい週末です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。