一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝って締めくくりたい東京最終週
2024/2/15(木)
先週はアムンラー(7人気4着)が最高着順。前走から間隔が空いての初芝でしたが適性ある走り。次走に繋がる好内容だったので、選択肢を広げるという意味でも収穫がありました。そして、土曜最初のレースで1万2千回騎乗を達成することができました。パドックで応援に駆けつけてくれた息子を見つけて気合も入り、有難さを噛みしめながら乗りました。結果こそ伴いませんでしたが、これからも毎レース全力で頑張っていきます。
最終週の土曜は東京で5鞍に騎乗します。2Rのスタンリーテソーロは水曜の追い切りに乗せていただきました。レースのままスピードがありそうで、凄くしっかりした馬です。2戦2連対のコースなので、気分良く持ち味を活かす走りをさせてあげたい。6Rのスプランドゥールは芝のレースを求めて既走馬相手のデビュー戦。入厩こそ遅れましたが、その後は順調で十分に乗り込んでいます。経験値という部分がどうかも、持っている力を出せればイキナリからの感触です。
7Rのアニージョは10ヶ月振りですが、乗り込み十分で好仕上がり。気持ちの部分でフレッシュなほうが走れるタイプなので、密かに楽しみにしています。9Rのキャントウェイトの前走は休み明けが響いてしまった止まり方でした。中3週の今回は逆算して、この番組に合わせて仕上げてきました。どうしても気持ちが高ぶる面があるので、返し馬からなだめつつレースに臨みたい。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。2Rのシグムンドは2週続けて追い切りに乗せていただきました。初戦は周りに委縮して競馬にならなかったという話で、調教の併せ馬でもそういった面を見せるのですが能力はありそう。気を抜かさないように工夫して乗ってみます。3R(新馬)のアイリュールも続けて追い切りに乗っています。背中が良くて走ってきそうな馬も、もう少し芯が入ってほしいという注文もあります。現時点でどこまで頑張れるかというデビュー戦です。
平日の調教とレースを繰り返して、あっという間に東京開催も最終週。何としても勝って締めくくりたいところですが、中山開催の2週目に向けて3連勝中のコスモフリーゲンが戻ってきています。毎日付きっ切りで乗せていただいている一頭で、今週の追い切りも好感触でした。4連勝に向けて不安なく仕上げていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。