一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
先週は落馬でご心配をおかけしました
2024/3/21(木)
先週は2頭の5着が最高着順。アムンラー(5人気)は追ってからしぶといタイプで最後までしっかり走ってくれました。惜しむらくは大外枠から前半に距離ロスがあったこと。本当に相手関係と枠順ひとつという段階です。ダイチラファール(7人気)は向正面の強風で追走に苦労しましたが、直線外に出してからは伸びています。時計が遅かったのは風の影響だったと思うので、この馬も着順ほど差はありません。
この土曜は中山で3鞍に騎乗します。2Rのビッグロゴスルーフは中間に乗せていただいています。大きく変わったところはなくとも順調で、もっと着順(初戦10着)を上げられそうな感触はあります。
3Rのマンマミーアは今週の追い切りも絶好で、結果を出したいという一心です。この馬の力だけ走らせてあげれば自ずと結果がついてくるはず。8Rのマイネルニコラスは転厩緒戦も、中間の追い切りに乗せていただいて好感触。前走は馬体に余裕があるように感じたので、絞れて出られるように負荷をかけました。もうひとつ上積みを見込んでいます。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。3Rのパーセルペーパーは休み明けになりますが、順調に追い切りを消化して好仕上がり。気持ちが入りやすいタイプで前走は連戦の疲れがあったと思いますし、ダート替わりと相まって巻き返しに力が入ります。
5Rのエムズマンは前2戦とも見せ場なく終わっていますが、間隔を空けて追い切りの動きは良くなりました。金曜にゲート練習とコースで足慣らしをして初芝へ臨みます。9Rのグローブフェイムは軽い走りで追い切りの動きがいいです。ただ、ゲートの中でジっとしていられないので、レースに行っての駐立が課題。地方はゲートの中で尻尾を持てるので出ていましたが、五分のスタートで流れに乗せられるかがポイント。
タイトルにもさせていただきましたが、先週は土曜1Rのヨッコサンの落馬でご迷惑、ご心配をおかけしました。制裁をもらった小林勝太騎手の動きが発端ではありますが、脚の運びがいい馬ではないので、普通なら回避できるシーンでヨッコサン自身がもつれたという部分もありました。真ん中にいた石川騎手も引っ張って、自分さえ落ちなければ結果も変わったはずですが、大きな怪我にならなかったのを幸いと切り替えて、何とか次走で挽回したい。首だけは少し痛むものの、騎乗には全く影響ありません。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。