一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
力を引き出せるように頑張ります
2024/4/25(木)
先週はパーセルペーパー(9人気3着)が最高着順。調整も上手くいって状態が良かったので得意条件で期するところがありましたが、いい内容で走ってくれたと思います。調教の時から少しずつ我慢が利くようになって、とりわけ返し馬では教えてきたことが実になっているように感じました。ここで権利を取れたので、適レースで初勝利を見据えます。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。2Rのアーススピリットは何度か追い切りに乗せていただいています。成績ほど悪くない感触なのですが、展開面には左右されそう。キッカケを掴めるように工夫して臨みます。3Rのシグムンドの前走は変に競馬慣れしてしまったのか、自分から行く気が薄れている感じでした。この中間は刺激を与える意味でメンコを外してみたところ、大分ピリッとする面が出てきました。これが競馬でいいほうに繋がれば巻き返せると思います。
8Rのロザシアニンは初めて乗せていただいた前走で根性を見せてくれました。コース替わりがどうかも、引き続きの牝馬限定戦なので持ち味を活かしてあげたい。10Rのマイネルニコラスは勝った後も落ち着きがあって順調にきています。ゆったりした走りにシフトしているので、今なら東京2000mもマッチしそう。昇級緒戦ですが好感触で臨めます。
日曜も東京で2鞍に騎乗します。1Rのクッキークリームは新馬を使って成長を促しましたが、まだまだ良くなりそうな余地を残しています。改めて適性を見極めつつキッカケを掴んであげたい。3Rのシェリングフォードの前2走はこの馬らしくないという走りでした。休み明け3走目で追い切りの感触は戻ってきているので、距離延長とコース替わりで新味を引き出したい。
今週月曜は気分転換を兼ねてあしかがフラワーパークに行ってきました。藤やつつじが本当に綺麗でまさに見頃。ゴールデンウィークはかなりの混雑でしょうが、それでも足を運んでみる価値はありますよ。お花たちのおかげで心は癒されましたが、信じられない落馬事故が続いているので、一同で気を引き締めて全人馬完走を務めあげていきたい。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。