一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ダービー週でも土曜日から力が入ります
2024/5/23(木)
先週はトルーマンテソーロ(7人気3着)が最高着順。使ってさらに馬の雰囲気が良くなっており、着順以外は理想的な内容でした。東京開催のうちに勝たせてあげたい一頭です。マンマミーア(10人気5着)はチークを着用し、調教で教えてきたことが競馬に繋がりました。梅雨時でこれから天気が悪くなりそうなので、少し距離を詰めて脚抜きがいい馬場でやれればチャンスも近いと思います。
この土曜は東京で2鞍に騎乗します。3Rのアムンラーは中間に軽い捻挫があって延びましたが、先週の追い切りでは影響を感じませんでした。むしろ乗り込めた分で雰囲気が良くなっているくらい。東京1400mは一番合う条件だと思うので、結果を出せるように頑張ります。5Rのパーセルペーパーは1F延びて2000mに出走ですが、今の感じであれば我慢してくれるはず。相手関係ひとつという段階なので、乗り方を工夫して勝利を目指します。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。1Rのシャトーブレールは今週追い切りに乗せていただきました。調教では一生懸命に走るものの、競馬に行って気持ちが途切れる面があるようです。距離を詰めて最後まで集中して走らせられれば変わる馬だと思います。2Rのマクミランテソーロも今週の追い切りに乗せていただきましたが、真面目に走ってくれるタイプで仕上がっています。既走馬相手で経験の差がどうかも、次に繋がる競馬にしてあげたい。
今週の日本ダービーが終われば、来週から2歳新馬戦が始まります。ちょこちょこ2歳馬の調教にも跨っていますが、1年が過ぎるのはあっという間ですね。ダービーはかつて乗せていただいたレースを思い出すと懐かしくなるくらい騎乗するのにハードルが上がっています。それでも競馬に携わっている以上は目標にしないといけないので、当日の雰囲気を肌で感じつつ、ここからまたモチベーションを上げていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。