一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
調子いい馬が揃っています
2024/6/6(木)
先週はシグムンド(7人気2着)が最高着順。最後は勝ち馬と同じ脚色になってしまったものの、ブリンカー効果でしっかり走り切っています。時計を詰めた上で内容も良かったので、東京開催のうちに決めてあげたい。スプランドゥール(8人気4着)は元から良いところがある馬で、変われるタイミングだと思っていました。久々の分で最後は脚が上がってしまいましたが、条件と相手ひとつで何とかなりそうなところまできました。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。2Rのコスモビオラはなかなか時計が詰まってこない現状も、前走乗ったジョッキーが久々を最後まで追ってくれました。乾いた馬場でやれればもう少し着順を上げられるはず。
3Rのアーススピリットは前2走とも内容は悪くないのですが、どうしてもスタートが遅くて後ろからになってしまいます。今回は追走面を楽にするための2100m。この条件で流れに乗れれば前進が見込めます。4Rのペーシュメルバは前走取消した影響はなく、すぐに乗り出せました。初戦と比べて調教の動きは一段上がっています。テンションを抑えて競馬に向かえれば、大きく変われていい能力がありそう。
8Rのターコイズデューは昨秋以来の出走も、しっかり乗り込めて追い切りの動きは申し分ありません。今回から着けるブリンカーの効果もありそうなので、緒戦から力は出せると思います。12Rのトルーマンテソーロは前2戦とも自分の力だけ走ってくれています。3歳馬が入ってきますがやるべき戦法はひとつなので、しっかり走らせて今度こそ押し切りたい。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。1Rのパナマテソーロは乗せていただいた初戦で気を使いながら走っている印象でした。東京1600mは合っていると思うので、3走目で競馬を覚えていてくれれば着順を上げられそうです。2Rのノーブルニードルはなかなかの大型馬で、一度使った分で体が締まって動きも一段上がりました。2戦目でどこまで変われるか楽しみにしています。
今週は月曜に栃木の実家近くに用があったので、通っていた中学校の通学路にある大谷資料館に行ってきました。大谷石の地下採掘場跡なのですが、中に入るとこの時期でも寒いくらいで、ワインなどが貯蔵されているようです。アーティストのミュージックビデオや映画の撮影にも使われており、こんなに神秘的なところが地元にあるのは誇りです。卒業写真をここで撮ったな……などと学生時代を思い出しつつ、懐かしい時間を過ごしてきました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。