一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
新馬勝ちの勢いにあやかって
2024/7/11(木)
先週はミライヘノブーケ(2人気)で新馬勝ちすることができました。調教からいい動きをしていたので期待していましたが、当日も返し馬から何から戸惑うことなく、競馬に向かうまでスムーズな運び。外から早めに競られても馬は冷静で、ゴール前で最後もうひと伸びという文句なしの内容。まだまだ成長する余地を残しての結果ですから、この先が楽しみです。
この土曜は福島で2鞍に騎乗します。2Rのクーデピンヌの前走は、立て直した効果があってしっかり走れていました。東京よりは明らかに小回り向きというタイプなので、コース替わりで前進に期待しています。8Rのファーストメイトはデビュー戦も騎乗する予定だった(馬運車で怪我をして取消)ので、何度か調教に乗っています。かねてから福島あたりが合いそうな印象があり、いいタイミングで依頼をいただけました。素直で一生懸命さがこのコースにマッチしてくれませんか。
日曜も福島で5鞍に騎乗します。2Rのリネンフラッシュは普段の調教と追い切りに乗せていただいています。初戦は色々な面に気を使って流れに乗れなかったのかなという印象ですが、同じコースの続戦であれば慣れが見込めそう。力を出せれば自ずと前進があるはず。
4Rのセキセイは3歳初出走ですが、大分乗り込んでおりピリッと気持ちが入ってきました。ゲート練習を積んで万全の態勢も、何せ既走馬相手の初戦なので、次に繋がる内容を意識して臨みます。12Rのバンブトンプロはここのところ短い距離を使われてきましたが、福島だったら1150mよりも1700mというイメージ。脚をタメるような乗り方で新味を引き出してあげたい。
初勝利を求めた3歳馬の交流競走参戦が続いていますが、来週も火曜は盛岡でエムズマン、木曜は船橋でアムンラーの騎乗を予定しています。2頭ともずっと乗せていただいていて癖を分かっており、何としても結果を出したいタイミング。久々に地方でも勝利を挙げたいです。
そして、藤田菜七子ジョッキーの結婚発表には、年齢が離れた後輩ということもあって全く知らずにファンの皆さん同様に驚きました。まだまだ競馬に乗っていくということで安心しましたし、家族の支えがあれば全てにおいて違っていくことは実感しています。平日のトレセンではまだ会えていませんが、週末にお祝いの言葉を直線本人にと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。