一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
福島最終週は力が入るラインナップ
2024/7/18(木)
土日に福島で騎乗した後、今週は盛岡(火曜)、船橋(木曜)と交流競走にも参戦してきました。勝てなかったことは残念でしたが、移動を楽しみながら違った顔ぶれの中に入って違った競馬ができることはいい刺激になっています。今後も開催場問わず乗りに行って、それを勝利に繋げていければ最高ですね。
最終週の土曜は福島で6鞍に騎乗します。1Rのリネンドライブの初戦は周りに気を使ってか進んでくれませんでした。調教ではガツンと行くくらいの馬なので、ダート短距離に替わることで上手くかみ合ってほしい。3Rのペーシュメルバは前走で内容が進歩して、調教でもいい動きをしています。福島コースも合いそうなので、もう一歩前進できるはず。
4Rのスズノアムールも今週の追い切りで調子の良さを確認しています。初コースでも福島ダート1700mはマッチするはずなので楽しみにしています。5R(2歳新馬)のマイネルボスは続けて追い切りに乗せていただきました。追う毎に動きが良くなっており、自分としても縁のある血統。思えば兄マイネルオーサムの初勝利が福島でしたね。
7Rのサンディビーチは今週乗せていただいた追い切りの感触が良かった。前向きで一生懸命に走ってくれる馬なので、デビュー戦以来となる芝1200mにも対応してくれるはず。8Rのターコイズデューの前走は早くから競られてしまいましたが、大きくバテずに頑張っています。東京よりは間違いなく福島コース向きなので巻き返してくれるはず。
日曜も福島で7鞍に騎乗します。2Rのマクミランテソーロの前走は内容が良く、時計的にも相手関係ひとつという段階。同じコースの続戦で勝たせてあげたいという一心です。
5R(2歳新馬)のマイネルラファールはしっかり乗り込んで態勢万全のデビュー戦。今週の動きも素晴らしかったので、競馬にいって同じだけ走ってくれれば勝ち負けになる感触です。6R(2歳新馬)のセカンドトゥノンは先週、本馬場の追い切りに乗せていただきました。ゲートが速くて軽い走りをするので、芝1200mのデビューはピッタリだと思います。
7Rのヴォーグアルタイルは最近の成績が案外も、デビュー当時を思えばそれが不思議なほど。初コースの芝2000mが、いいキッカケになってくれませんか。9Rのコスモバイオレットは1勝クラスに入ってからが苦戦しています。この馬も福島コースは悪くないはずなので工夫して乗ってみたい。
11Rのハギノアトラスは最終日のメインレースに有難いご依頼。2走前の同コースが着順ほど悪くない内容に思えるので、よく研究してひとつでも上の着順を狙います。12Rのモルトマエストーソは一走毎に進歩しており、初勝利後に改めてチャンスをいただけました。福島2600mという特殊な舞台ですが、コースにさえ対応してくれれば昇級しても差がない素質馬です。
あっという間に梅雨明けかと思えば、新ドラマが続々と始まりました。とりわけ移動が多い時期なのでTVerフル活用で楽しませてもらっていますが、役者面でのイチ推しは海のはじまりで、前作に続いてブラックペアン2もワクワクさせてくれますね。ギークスや新宿野戦病院も面白くなってきそう。来週はパリオリンピックも始まるので、いい息抜きをしつつ充実の夏になるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。