一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
まだまだ暑い3日間になります
2024/9/12(木)
中山開幕週は2歳新馬のコウセイケンタロス(7人気5着)が最高着順。芝で走るのは実戦が初めてでしたが、思っていた以上にマッチしてくれた印象。かねてから使えばグンと上向くと感じているので、次走が楽しみになりました。
この土曜は中山で3鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のコスモブレイズはしっかり乗り込んできた中で、今週の動きが一番良かったです。手頃な頭数の2000mというのも合っている舞台だと思うので、現状における力は出してくれるはず。
7Rのライヴァルは距離延長が合っていると思いますが、時計の速い馬場に対応できるかどうか。色んな条件を使っている最中なのでキッカケを掴んであげたい。8Rのシグムンドは休み明けを使って今週の動きが良くなっていました。上積みが見込める中1週で、中山コースも経験があるので気になりません。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。3Rのリネンフラッシュの前走は、前向きさが出てきたこともあり途中から一生懸命になりすぎてしまいました。今回はチークピーシーズを外して臨みます。ダート1800m自体は合っているので前進できるはず。
5R(2歳新馬)のアサアールは気持ちが前向きで、調教の動きも追う毎に良くなっています。金曜朝のゲート練習にも乗せていただくので、スタートを決めて位置を取るイメージを作りたい。8Rのパララヴィクトリアも距離延長はいいと思うのですが、速い馬場への対応がカギ。前走が案外だったので工夫して乗ってきます。
祝日開催の月曜も中山で3鞍に騎乗します。7Rのキタノチェロキーは最後頑張れるように脚質展開を図りつつ、ここ2戦の内容が悪くありません。今なら急坂があるコースは合いそうなので、もう一歩前進させてあげたい。
9Rのササヤキは去勢後の転厩馬ですが、中間に先生がしっかり教えてくれて、従順に走れるようになってきました。気分良く流れに乗せてスムーズな競馬を心掛けます。12Rのダイチラファールの前走は、福島1150mの流れが向かなかったという印象。中山1200mでは崩れたことがないので、今回も自分の時計だけは走ってくれるはず。
ファンの皆さんも驚いたと思いますが、中山開幕週は本当に時計が速かった。芝丈が短く綺麗に揃えられていて、乗っている側としては自然にスッと進んでいってしまうような感触で、スピードがある馬はより止まらないというイメージ。それでいて掘れた芝が飛んでくるので、クッションは利いているんです。そして、体感は夏の新潟よりも暑かったくらいで、この3日間開催も開幕週と変わらない傾向になりそう。まだまだ厳しい気候ですが、夏を乗り越えて逞しくなっている馬たちと共に頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。