一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週は東京で勝ちたいです
2024/11/14(木)
先週はスズノテレサ(15人気)で勝つことができました。思っていたようなレース展開ではなかったものの、馬が落ち着いて走ってくれて、行くところ行くところが開いてくれて本当に上手くいきました。直線も一頭分だけの進路で、会心のレースだったと思います。ラナイ(7人気5着)は自分も乗せていただいていたマイネルサージュの下で、気難しい面がありつつも高い能力を感じました。2着とは0秒2差でしたし、使って良くなりそうなタイプなので改めて次走が楽しみです。
この土曜は東京で3鞍に騎乗します。2Rのベルウッドホウオウの初戦はスタートが出なくて流れに乗れなかったものの、終いはしっかり脚を使えています。まだ緩い面は残るのですが、レース慣れが見込めれば一歩前進できるはず。3Rのアイアンオバーカムの初戦は周りに圧倒されてしまった感じでした。この馬も慣れとダート替わりでいいところを引き出せればと思います。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。2Rのロアゾンパルクはデビュー前の調教に何度が跨っています。幼い印象はありましたが、距離が延びて良さそうに思えるタイプ。使った上積みにも期待しています。
3Rのカリヨンベルの初戦は、着順ほど内容は悪くありません。遅生まれで体力が伴っていない面がありつつも、レースの経験が活きてくれれば前進できると思っています。5R(2歳新馬)のローレンは気難しい面こそありますが、調教の動きはいいです。気分良く競馬が嫌にならないような運びを意識しつつ、次が楽しみになるような初戦にしたい。
7Rのトルーマンテソーロは相手関係ひとつという段階。前走はハナに行けなくても頑張れましたし、理想形はありつつも臨機応変に対応して結果を出したい。10Rのマイネルニコラスは中2週でもしっかり調教を詰めて絶好調。涼しくなり活気が出てきて、追い切りの感じは前走以上です。アッと言わせるような競馬をしたいですね。
夏競馬以外の福島遠征は久々でしたが、若手騎手の中に混じって新鮮な気持ちで臨めました。行楽シーズンで新幹線はなかなかの混雑だったものの、勝利と相まって心地よく帰って来ることができました。今のところ年内の予定はないのですが、関西方面を含めてまた遠征したいという気持ちになったほど。そんな感覚を忘れないうちに今週は東京で勝ちたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。