一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝手知ったる馬たちと頑張ります
2024/12/12(木)
先週は着順こそ目立ちませんでしたが、新馬2頭の感触が悪くなかった。ハナに行ったヴェリーヌ(10人気9着)は気持ちの強さで走り切ってくれました。使いつつ体が伴ってきそうなタイプなので、次走で早速上積みが見込めます。反対にマイネルライゼン(11人気9着)は周りの馬をとにかく気にしていました。その分で最後は余力がなくなってしまったので、競馬を覚えてくれれば能力自体は秘めています。
この土曜は中山で5鞍に騎乗します。1Rのテイエムシェボンは今週の追い切りに乗せていただきましたが、いい背中をしています。前走時との比較はできませんが、ひと息入れたことで良くなっているのではないでしょうか。
2Rのゼロファイターはまだ上手に走れていないので、最後まで気持ちを途切れさせないというところから。距離を戻して立ち回りやすくなるとは思います。4Rのオーレオリンは、芯が入り切っていない体で前走は頑張っています。一歩ずつ前進させている段階ですが、中山コースでどう走ってくれるのかが楽しみ。
5R(2歳新馬)のキタノアルペジオは中間に乗せていただいており、十分に本数をこなしています。素直で一生懸命に走ってくれる馬なので、現時点における力は出し切れるはす。10Rのベラジオボッキーニは条件を替えて初芝の1800m。未知なる面が多い一戦も、適性を見つけるという意味では楽しみです。
日曜も中山で4鞍に騎乗します。3Rのカシノフロレゾンは今週の追い切りに乗せていただいて、前走からの上積みを感じました。集中力に課題がありつつ、力を出し切ってくれればいつ勝ってもという能力を持っています。6R(2歳新馬)のハインズテソーロは2度除外になって、その分しっかりと乗り込めました。追う毎に状態が上がってきており、初戦から力を出し切れる態勢です。
7Rのシュトレームングは小柄なからも気持ちが強い馬。東京よりも先行力を活かせる中山向きなので、次に繋がる内容と着順を得られればと期待しています。8Rのバンブトンプロは後方からの競馬が合っており、少しでも展開が向いてほしい。前走も上がりは最速タイで、このコースであれば終い確実に脚を使ってくれます。
今週も時間を見つけて劇場版ドクターX FINALを観に行ってきました。ずっと連ドラを観てきたので、スッキリというよりはこれで終わってしまうのか……と思うと残念な気持ちのほうが強かった。観客動員好調というニュースを目にしましたが、自分が行っている茨城の映画館は、平日もあるのか常に空いていて穴場なんです。今回も混雑回避を失敗しない(の)で楽しませてもらいました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。