
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
最終日の新潟遠征も楽しみにしています
2025/5/22(木)
先週はバンブトンプロ(14人気)で勝つことができました。前走で兆しが見えて、中間の調教も馬がヤル気になっていたので連闘で入れたことが大きかった。徐々に調子を上げており先生とは「いつ走っても不思議ない」という話をしていたので、その感覚を競馬に繋げられたことが何よりでした。

この土曜は東京で5鞍に騎乗します。5Rのコウセイケンタロスはなかなか結果に結びついてこないという現状。キッカケを掴めるように工夫して臨みたい。
7Rのカイトグートの前走は、調教を工夫したことで最後までヤメずに走れていました。暖かくなって調子も上がっており、もう一歩前進できると期待しています。8Rのスプランドゥールはコンスタントに力を発揮してくれるタイプ。相手関係や展開ひとつという段階なので上手くエスコートしてあげたい。
10Rのホークマンは今週坂路の追い切りに乗せていただきました。悪くない動きだったので、芝の続戦で目途を立ててあげたい。11Rのハギノアトラスは昨夏以来の騎乗。真面目に一生懸命走ってくれる馬なので、展開を見極めて少しでも上の着順を目指します。
日曜は新潟で5鞍に騎乗します。1Rのフェスティヴルキナは燃えすぎてしまう面があります。パドックや返し馬で落ち着かせて、競馬で力を発揮できるようなメンタルに仕向けたい。
5Rのグラツィオーソは前走後からここを目標にきており順調。負けられないという意気込みで乗りに行きます。9Rのコスモバラタはデビュー当初以来の騎乗。連闘で臨む一戦になりますが、最後まで気を抜かせないように走らせたい。
10Rのヴィクトリーロードは今週の追い切りに乗せていただきましたが、調教では目立ちません。競馬に行って力を発揮する実戦タイプと聞いているので、よく研究して持ち味を引き出したい。11Rのエエヤンは初騎乗ですが、とても思い入れがあるプレイアンドリアルの兄弟。重賞勝ち馬で地力は間違いありませんし、かねてからの内容から直千競馬もマッチしそう。最終日の雨予報なのでいい枠が欲しいですね。

先週の新潟は肌寒いくらいだったので、週中のトレセンがとても暑く感じました。そして、今週も日曜の新潟はまた雨が降ってハードな馬場状態になりそう。とりわけ芝コースは塊が飛んできて前が見えないというレベルなので、気合を入れつつも細心の注意を払いたい。悪天候を吹き飛ばすくらいの遠征になるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。