
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
七夕賞を勝つことができました
2025/7/17(木)
七夕賞をコスモフリーゲン(2人気)で勝つことができました。レース前まで色々と考えましたが、スタートして主張してくる馬がいなければ自分のリズムで主導権を握ろうという結論。概ね理想どおりのラップを刻めて、後続に脚を使わせるようなイメージで持ち味を活かせたと思います。
驚いたのは大外枠からドゥラドーレスが物凄い脚で迫ってきたこと。1.5キロのハンデ差も自分達に運がありました。この後は新潟記念を視野に入れる話になっており、そうなるとまた乗り方も違ってくるので、調教メニューや作戦を工夫しながら次の目標に向かっていきたい。
アイアンオバーカム(9人気4着)は枠が良かったのでスピードを活かす競馬をしました。短距離戦でかみ合いつつあるので、新潟でチャンスを掴んであげたい。ウエストチェリー(12人気4着)も格上挑戦ながら頑張ってくれました。状態面さえキープしていければ1勝クラスでも差はありません。


この土曜は福島で6鞍に騎乗します。3Rのケナゲは2戦目の芝もかみ合って、一度使われたことで体に芯が入っていた印象でした。再度の中1週で上積みがカギになりますが、反動さえなければ同コースで頑張ってくれるはず。
4R(2歳新馬)のキタノドンカルロは使いながら良くなるタイプかもしれませんが、いいモノを持っています。次に繋がる内容のデビュー戦にしてあげたい。5R(2歳新馬)のユメシルベも背中がいい馬。2週続けてしっかり坂路で動けており、現時点でどこまで走ってくれるか楽しみです。
7Rのフェスティヴルキナの前走は返し馬の感触が凄く良かったのですが、レースに行ってコーナーを上手く回れなかった。状態も良くなっている話で右回りのほうがスムーズな馬。巻き返せる感触があります。8Rのマイネルボスの前走はブリンカーが効いていました。最後までしっかり走れていたので、改めていいイメージで臨めます。

日曜も福島で4鞍に騎乗します。7Rのフランシナテソーロは初戦以来の騎乗ですが、中間の追い切りが好感触。ダート短距離も合うので初勝利を目指して乗りたい。8Rのセージブラッシュは4ヶ月振りも調教には跨っていません。成長力とコース替わりの適性に期待しています。
9Rのマルモリディライトは連闘になりますが、前走はダートが合わなかったという印象。序盤の走りからブリンカーは効いていたので、芝に戻って頑張ってくれませんか。10Rのマイネルトルファンの前2走は自分でペースを作って好内容。初めての福島コースがどうかも、同じだけ走れれば勝負になると見込んでいます。

写真にも載せたように先週は家族が応援に来てくれて、帰りは福島県内の温泉で祝勝会を挙げることができました。沢山のお祝いメールとLINEをいただいて、返信に注力していたのはここだけの話です。トレセンでのメッセージもありがとうございました。
福島オーラスとあって今週土曜は最終レース後に七夕賞で叩き合った戸崎騎手や地元の田辺騎手など6人でトークショーが予定されており、自分にもお声がかかりました(他、五十嵐騎手・石川騎手・遠藤騎手)。面白い話ができればと思っているので、競馬場に来られる皆様は残っていただけると嬉しいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。