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アウィルアウェイ

(牝3、栗東・高野厩舎)

ジャスタウェイ
ウィルパワー
母父キングカメハメハ
通算成績4戦2勝
連対時
平均馬体重
456kg (最高:464kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重462kg
POINT
骨格に対して大きく丸みを帯びたトモの筋肉は、牝馬ながら迫力がある。父よりも母父のキングカメハメハに近い造りで、母方の遺伝が強そうなイメージ。6月の新馬を勝っているが、キ甲が抜け切っておらず腰高のシルエットで、完成度としてはそう高くない。まだ奥がありそうな印象を受ける。現状の完成度でも好走できている辺り、身体能力は高い。飛節の折りが深く、瞬間的に速い脚を使うことの出来る造りをしている。前走は先行して失速したが、タメる競馬ならまだ見限れない。体型的にはマイルへの距離延長も対応可能と見た。休み明けを一度使われて馬体の張りは良化しており、前走以上のデキで本番を迎えることが出来そう。
今週のイチオシ

アクアミラビリス

(牝3、栗東・吉村厩舎)

ヴィクトワールピサ
アクアリング
母父Anabaa
通算成績3戦2勝
連対時
平均馬体重
423kg (最高:428kg)
(最低:418kg)
前走時馬体重418kg
POINT
背中側が短く、腹側が長く見える胴の造りをしており、体の伸縮性に優れた形。仙骨の角度が斜めになっている「斜尻」で、瞬発力のかたまりのようなパーツの構造をしている馬だ。前走時の馬体重が418キロと小柄ではあるものの、筋肉の輪郭がハッキリとしている印象で、肩周りやトモには明瞭なスジが確認できる。骨格自体が大きい馬ではないが、立ち姿から小ささを感じさせない点を高く評価したい。桜花賞はとにかく瞬発力が要求されるレースであり、馬格の小さな馬も頻繁に好走している。このレースに対する適性はかなり高いのでは無いか。筋肉が主張するタイプではないために派手な見栄えこそしないが、拡大して見るとトモの下腿部や肩周りに、しっかりと血管が浮いていることが分かる。馬体の張りも上々で、勝ち負けを期待したい。

エールヴォア

(牝3、栗東・橋口慎厩舎)

ヴィクトワールピサ
フィーリングトーン
母父ワイルドラッシュ
通算成績5戦2勝
連対時
平均馬体重
503kg (最高:510kg)
(最低:496kg)
前走時馬体重510kg
POINT
前脚が長い分身長が高く、背中が長い体型で全体的に胴が長く見える。曲飛節で瞬間的な脚も使える構造ではあるが、500キロを超える雄大な馬格はやはり、ゆったりと走らせてこそ持ち味が活きそう。体型的には桜花賞よりもオークスで買いたいタイプだ。胸の角度も深く、外貌上からも心肺機能の高さが窺えると言っても過言ではない。仙骨の角度はどちらかと言えば平行に近く、豊かなスピードを発揮すると言われている平尻に近い形。これらの点を踏まえた上で、スピードを活かして先行する競馬が合っていると思われる。自らレースの流れを作ってこそ強さを発揮しそうだ。母系は晩成傾向の強い血統だが、筋肉の張りや質感、キ甲周辺の発達を見ると、完成度は低くない。筋肉の陰影も感じられ、皮膚を薄く見せる。仕上がりはかなり良さそうだ。

グランアレグリア

(牝3、美浦・藤沢和厩舎)

ディープインパクト
タピッツフライ
母父Tapit
通算成績3戦2勝
重賞勝利 18年サウジアラビアRC(G3)
連対時
平均馬体重
467kg (最高:476kg)
(最低:458kg)
前走時馬体重482kg
POINT
仙骨の角度は父ディープインパクトと似て角度がある「斜尻」で、飛節は父よりも折りが深い「曲飛」の構造。瞬発力に秀でた形だ。前脚がやや短く重心が前傾しているためにスピードの乗りが良く、レースでは先行することが多いが、溜めればもっと切れそうなイメージ。長駆短背と呼ばれる背中側が短く、腹側のラインが短く見える馬で、素質馬に多い体型。マイルは合っているが、折り合い次第で距離自体はある程度こなせるだろう。母父タピットの影響か、馬体重がデビュー戦から増え続けていて、素軽さよりもパワーで勝負するタイプに変化してきた点が少し気になるところ。今回は休み明けながら毛艶が冴え、腹周りも引き締まり、皮膚も薄く見せている。それでもまだ100%のデキといった雰囲気ではなく、ココを使っての上積みもありそう。
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馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!

今週のイチオシ

クロノジェネシス

(牝3、栗東・斉藤崇厩舎)

バゴ
クロノロジスト
母父クロフネ
通算成績4戦3勝
重賞勝利 19年デイリー杯クイーンC(G3)
連対時
平均馬体重
437kg (最高:440kg)
(最低:436kg)
前走時馬体重438kg
POINT
背中が短く、腹側のラインが後躯に向かってキュッと引き締まる体付きをしている。体の伸縮性に優れた造りで、鋭い決め手を持つ差し・追込馬に良く見られる体型だ。飛節の折りも深い「曲飛」で、瞬間的な反応も速い。末脚自慢の馬が揃った今回のメンバーの中でも、瞬発力の高さは指折りのモノがある。横見の立ち姿でも分かるように顔が小さく、筋肉の付き方もなだらかで、牝馬らしい素軽いイメージがある。華奢な印象すら覚えるが、桜花賞はこの素軽さから生まれる瞬発力・直線でのスピードが活きるレースであるため、適性はかなり高く要注目。芦毛はその斑な毛色から馬体の張りを写真から見抜くのが難しいが、前走時よりも皮膚の薄さを感じさせ、毛艶も良好。今回も争覇圏内の1頭と見ている。

シェーングランツ

(牝3、美浦・藤沢和厩舎)

ディープインパクト
スタセリタ
母父Monsun
通算成績5戦2勝
重賞勝利 18年アルテミスステークス(G3)
連対時
平均馬体重
477kg (最高:480kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重472kg
POINT
前走時で馬体重472キロ、デビューからの2戦は480キロ以上あったように牝馬の中では比較的馬格に恵まれている。母の父がモンズーンで肩周りの筋肉や腹周りに重厚さを感じさせる。純粋な瞬発力勝負よりも、底力を要求されるようなタフな展開が向きそうなイメージ。さすがにディープインパクト産駒らしくバランスの良い立ち姿を披露しており、筋肉量も相まってなかなか見栄えのする好馬体だ。休み明けだったチューリップ賞は腹周りにゆとりを感じさせる雰囲気があったものの、今回は一度使った効果が如実に表れており、毛艶も明らかに光り輝いている。前走よりも状態面が上向いていることは間違いない。
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シゲルピンクダイヤ

(牝3、栗東・渡辺厩舎)

ダイワメジャー
ムーンライトベイ
母父High Chaparral
通算成績3戦1勝
連対時
平均馬体重
457kg (最高:462kg)
(最低:452kg)
前走時馬体重452kg
POINT
父ダイワメジャーは背中と腹周りのラインが平行に近いが、この馬は背中が短く後躯に向かって引き締まっており、あまり父と似ていない。距離はマイルくらいまでが上限の印象も、飛節の折りも深く小脚が使えるため、瞬発力は相当。未勝利勝ちの際には馬群を縫うように割って出たが、あのような器用な競馬ができるのは揉まれても怯まない精神力と、後肢の造りによるところも大きい。繋ぎが短く、蹄も立ち気味。道悪への適性は高そう。どちらかといえば高速決着よりも時計が掛かった方が良さそうな印象。前走は休み明けながらマイナス10キロと減らしていたが、今回は薄っすらと肋骨が浮かび上がる程度で、細すぎることはなさそう。毛艶・馬体の張りも上々で、好勝負できる。

ダノンファンタジー

(牝3、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
ライフフォーセール
母父Not For Sale
通算成績5戦4勝
重賞勝利 19年チューリップ賞(G2)
18年阪神ジュベナイルF(G1)
18年KBSファンタジーS(G3)
連対時
平均馬体重
456kg (最高:460kg)
(最低:442kg)
前走時馬体重460kg
POINT
過去2走の馬体診断でも触れたように、ひと目見て胴が短く見える体型をしている。背中側に対して腹側のラインが長いため伸縮性に優れている分、マイルまで対応できているが、本質的にはもっと短い距離が合っていそう。レースを使われつつ馬体に磨きがかかってきたが、より短距離タイプにシフトしている印象。1週前の調教でもかなりの好時計を叩き出していたが、マイルでは少しスピードのあり過ぎる面が目立つようになってきた。この長所をいかにコントロールするかが勝負の分かれ目になりそう。チューリップ賞前は背中に若干冬毛を残していたが、今はすっかり抜けて毛艶が良くなってきた。それに伴い筋肉の張りも顕著に感じられるようになり、血管の浮き方も素晴らしいモノがある。一度使って順当に良化、仕上がりに関しては文句なし。

ノーワン

(牝3、栗東・笹田厩舎)

ハーツクライ
プレイガール
母父Caerleon
通算成績6戦2勝
重賞勝利 19年フィリーズレビュー(G2)
連対時
平均馬体重
482kg (最高:484kg)
(最低:480kg)
前走時馬体重480kg
POINT
ハーツクライ産駒らしい背中の長い体型。1400mの重賞を制したが、体付きからは距離が延びても良さそうな印象がある。飛節の折りが深い典型的な曲飛と呼ばれる造り。一瞬の加速力に秀でているからこそ、前走は狭いところを割って来られたという見方もできる。器用な競馬ができるので、外枠有利と言われている桜花賞だが、この馬に関してはインコースでロスなく立ち回るようなレースが見てみたい。牝馬の中では馬格に恵まれている部類に入り、首・肩周りにもしっかりと筋肉が付いている。キ甲の辺りを見てもまだ成長の余地を感じさせ、よりパワー型の馬体に変化していきそう。毛艶も光って代謝の良さを示しており、昨秋からコンスタントにレースをこなしているが、充実した立ち姿を披露している。

ビーチサンバ

(牝3、栗東・友道厩舎)

クロフネ
フサイチエアデール
母父サンデーサイレンス
通算成績4戦1勝
連対時
平均馬体重
470kg (最高:476kg)
(最低:466kg)
前走時馬体重476kg
POINT
仙骨の角度が付いた斜尻で、胴周りも後躯に向かってキュッと引き締まる造りをしており、馬体の構造はこのレース向きと言える。飛節の折りも深く瞬発力はかなりのモノがありそうだが、体付きは父クロフネが主張しているのか筋肉量が豊富で、牝馬の中ではパワー型に分類したいところ。馬体重も前走時で476キロと立派な馬格で、素軽さという点では上位評価した2頭に及ばない印象。腹袋が立派で、底力を要するようなタフな流れも苦にしない。前半が流れたアルテミスSのようなペースでパフォーマンスを更に上げてきそう。阪神JF前と比較して馬体の成長が著しく、肩周りと後肢の下腿部には網目状に血管が浮き上がっている。毛艶・筋肉の張りも素晴らしく、デキは文句なしの状態だ。

プールヴィル

(牝3、栗東・庄野厩舎)

Le Havre
ケンホープ
母父Kendargent
通算成績6戦3勝
重賞勝利 19年フィリーズレビュー(G2)
連対時
平均馬体重
419kg (最高:424kg)
(最低:416kg)
前走時馬体重418kg
POINT
馬体重は420キロを切るような小柄な馬。数字通り骨格は小さいが、付くべきところにしっかりと筋肉が付いているため、数字以上に立ち姿は立派。骨格に対して筋肉量が豊富で、胴周りが短いことから短距離志向が強い。マイルはこなせる範囲だが、良績が1400mに集中している点を考慮しても、やはり距離は短い方が合っているタイプ。将来的にはスプリンターになっていくだろう。繋ぎも短く立ち気味なので、馬場が渋っても苦にしない。前走の勝因は馬場も大いに関係していると考えられる。前走時も馬体の張りには目を見張るモノがあったが、今回も引き続き良い状態をキープしている。自身の力は問題なく発揮できると見て良いだろう。
今週のイチオシ

ルガールカルム

(牝3、美浦・田村厩舎)

ロードカナロア
サンデースマイル2
母父Sunday Silence
通算成績4戦2勝
連対時
平均馬体重
458kg (最高:462kg)
(最低:452kg)
前走時馬体重460kg
POINT
馬体重は460キロ前後と牝馬の中では平均~やや大きめの馬格に分類されるが、筋肉の付き方はなだらか。見た目から筋骨隆々といった体型だった半兄フルーキーと比較すると、本当に兄妹なのか?と思えるほど。ただロードカナロア産駒はアーモンドアイ然り、ステルヴィオ然り、数字以上にシャープに見せる体型の馬ほど芝で切れる傾向にあり、馬体の造りとしてはむしろ好感。曲飛で速い脚を使えるタイプでもあり、アネモネSは比較的早めの競馬で勝利したが、阪神外回り向きの瞬発力を秘めていると言っていい。全体のシルエットも素軽さを感じさせるモノで、このレースに対する適性は高い。今回が初の立ち写真で過去との比較はできないが、筋肉の陰影がハッキリしていて、馬体の張りも上々。穴ならこの馬か。
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