勝つ馬は馬体で示す。重賞有力馬の立ち写真をレース1週前の日曜日にいち早く公開!
比較対象用に過去の写真も掲載し、馬体から掴みとれるデキ、巧拙をあらわにする。
【七夕賞/プロキオンS】馬体で適性を見抜く!元大手牧場スタッフのイチオシはコレだ!
2019/6/30(日)
毎週、馬体FOCUSにて馬体診断を披露している某大手牧場の元スタッフが、YouTubeで更に詳しい解説を公開中!今すぐ見る⇒
父 | Regal Ransom |
母 | Titan Queen |
母父 | Tiznow |
通算成績 | 20戦6勝 |
重賞勝利 |
18年鳴尾記念(G3)
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連対時 平均馬体重 | 522kg (最高:530kg) (最低:516kg) |
前走時馬体重 | 542kg |
POINT |
前走時で542キロ、重賞初制覇を挙げた昨年の鳴尾記念時で520キロと雄大な馬格を誇る。非常に迫力のある立ち姿を披露しているが、筋肉の付き方は意外となだらかに見せており、重苦しさを感じさせない。2度のレコード勝ちがあるように、スピード決着にも対応可能な馬体構造と言えるだろう。腹袋が大きく発達しており、どっしりとした印象のある腹周り。タフで底力を要求されるような展開に強いとされる構造で、ペースが流れやすく上がりの掛かるレースになりやすい七夕賞への適性は高そうだ。体型的に太く映ってしまうタイプではあるが、半年ぶりの実戦でもこの馬なりに引き締まっている。ただ昨年の宝塚記念前の写真と比較すると、馬体の張りはもう一段階良くなりそうな雰囲気。動ける状態にある一方、ここを使っての上積みにも期待したいところ。 |
父 | ディープインパクト |
母 | クリームオンリー |
母父 | Exchange Rate |
通算成績 | 42戦4勝 |
連対時 平均馬体重 | 483kg (最高:490kg) (最低:474kg) |
前走時馬体重 | 498kg |
POINT |
胴が長く見えるステイヤー体型で、ダイヤモンドS2着の実績が示す通り長距離適性が高い。瞬間的に切れる脚を使うというよりも、長く良い脚を使える造り。胸の角度も深く、心臓や肺が発達していることが窺える。スタミナ豊富な馬で、前半からペースが流れて上がりを要する展開も苦にしないだろう。七夕賞は17年に3着しているが、レース上がりが36秒6とタフな流れだっただけに、今年も同様にペースが速くなるようなら上位争いも可能だろう。繋ぎが長めで蹄も薄い構造をしているため、良馬場でこそのタイプ。年齢的に大きな変わり身は感じないが、筋肉量をしっかりとキープしていて、毛艶も良い。問題なく力を発揮できる状態にありそうだ。 |
父 | Frankel |
母 | Vodka |
母父 | Tanino Gimlet |
通算成績 | 15戦4勝 |
連対時 平均馬体重 | 522kg (最高:528kg) (最低:512kg) |
前走時馬体重 | 522kg |
POINT |
クビさしが太く、肩周りの筋肉も発達している。前走時の馬体重が526キロとかなりの大型馬で、母ウオッカを更にパワータイプにしたような、重厚感のある立ち姿を披露している。母は表記上で鹿毛とされていたものの、実際にはかなり黒味が強かった。この馬は青鹿毛表記だが毛色は母似であり、母方の血が強く発現している馬体と言えるだろう。腹袋の造りも立派で、タフな流れにも対応できそうだ。素軽さよりも馬力で勝負するタイプなので高速決着は得意としないが、繋ぎ・蹄が立ち気味であることから道悪でもパフォーマンスを落とす心配は全くなさそう。飛節の折りが深く、大型馬の割に小脚が使える造りであることもプラスに働くだろう。筋肉の張りも上々で、雨が降ったなら外せない1頭。 |
父 | タニノギムレット |
母 | モルガナイト |
母父 | アグネスデジタル |
通算成績 | 26戦5勝 |
重賞勝利 |
17年東京新聞杯(G3)
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連対時 平均馬体重 | 503kg (最高:512kg) (最低:494kg) |
前走時馬体重 | 506kg |
POINT |
まず目に留まるのが重厚感のある腹袋。父タニノギムレット、母父アグネスデジタルは共に立派な腹袋を有しており、血統的な面からも成るべくして成った体型と言えるだろう。一般的には上がりが掛かるようなタフな展開に強いとされているが、七夕賞は小回りで先行争いが激化しやすくペースが流れる傾向にあるため、このレースへの適性はかなり高いと見ている。古馬になってからは展開の主導権を握る競馬で好成績を挙げているが、瞬発力勝負にならないように自身で有利な流れに持ち込んでいる面もあるのだろう。ハナ切って良し、番手に控えても良しの自在性はココでも有利に働きそうだ。体型的に太く映りがちではあるものの、肋骨が薄っすら感じられるように体は引き締まっており、後肢の下腿部には血管が浮いて馬体の張りも抜群。2年半ぶりの重賞制覇に期待。 |
父 | トーセンホマレボシ |
母 | マドレボニータ |
母父 | ジャングルポケット |
通算成績 | 14戦3勝 |
重賞勝利 |
17年朝日セントライト記念(G2)
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連対時 平均馬体重 | 486kg (最高:494kg) (最低:482kg) |
前走時馬体重 | 480kg |
POINT |
トーセンホマレボシ~ディープインパクトと続く父系の影響が強く、後躯の造りは斜尻直飛でディープインパクトの特徴が前面に表れている。体型的に長く良い脚を使えることが持ち味のため、小回りコースでは外々を回して早めに動く競馬が求められそうだ。胴周りにゆとりのある造りで距離延長は好材料。父はディープ産駒の中でも大柄で全体的に肉付きが良く、腹袋の造りも立派。この馬も腹袋がしっかりと発達しているので、底力を要する展開も苦にせずこなせるだろう。前走は10着と大敗したものの、仕上がり自体は申し分の無い状態だった。今回も筋肉の輪郭が明瞭に浮き上がり、馬体の張りをキープ。前走大敗のダメージも見受けられず、巻き返しの可能性は十分。 |
父 | キングカメハメハ |
母 | アンブロワーズ |
母父 | フレンチデピュティ |
通算成績 | 7戦4勝 |
連対時 平均馬体重 | 510kg (最高:518kg) (最低:506kg) |
前走時馬体重 | 508kg |
POINT |
スラっとした脚に、馬格に対してやや小さめの顔。前駆と後躯のバランスも整っていて、美しいシルエットを披露している。前走の馬体重が508キロと大型馬でありながら、筋肉が主張しすぎない体つきで、立ち姿は非常に素軽い。高速域で活きるスピードタイプの馬体をしているため、重厚感のある馬と相性の良い七夕賞の傾向からは少しズレるものの、父キングカメハメハ譲りの容量豊富なトモを兼ね備えており、ポテンシャルの高さが窺える好馬体と言って良い。馬体の張りが素晴らしく、全身に血管が浮き上がっていて、皮膚を薄く感じさせる。背中には代謝の良い時に表れる、銭型模様が薄っすらと浮き始めており、体調面に関しては文句なしの好仕上がりと言って良いだろう。 |
父 | アドマイヤオーラ |
母 | ホシニイノリヲ |
母父 | シンボリクリスエス |
通算成績 | 11戦6勝 |
重賞勝利 |
19年オアシスステークス(L)
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連対時 平均馬体重 | 534kg (最高:546kg) (最低:518kg) |
前走時馬体重 | 546kg |
POINT |
大きな骨格もさることながら、フレームに対して胸前とトモの筋肉が顕著に発達しており、ボリューム感のある体つきで力強い馬体を披露している。馬格がただ大きいだけでなく、全体のバランスも整っているので、立ち姿からは全く重苦しさを感じない。比較的速い時計が出やすい中京ダートのスピード勝負にも対応できそうな軽さも兼ね備えている点に好感を受ける。3歳時から素質の高さを評価している1頭で、古馬との重賞対戦は初めてでも十分に通用する能力を秘めているだろう。毛艶も光っており筋肉の輪郭も明瞭で、皮膚を薄く感じさせる。仕上がりに関しては今回、立ち写真がある馬の中で一番と言って良い。 |
父 | ロージズインメイ |
母 | コスモヴァレンチ |
母父 | マイネルラヴ |
通算成績 | 32戦10勝 |
重賞勝利 |
19年さきたま杯(G2)
18年兵庫ゴールドトロフィ(G3)
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連対時 平均馬体重 | 487kg (最高:504kg) (最低:464kg) |
前走時馬体重 | 518kg |
POINT |
盛り上がるように発達した胸前~肩周りの筋肉と、詰まった胴が特徴。前脚が短いため全体的に重心が前傾しており、飛節の折りも深いため瞬間的な加速力にも優れている。総合してスプリンター向きの体型と言えるだろう。デビュー時から40キロ以上馬体重を増やしてきたように、昨年あたりから一気に完成度が高まってきた印象がある。キ甲が抜けて骨格も完成しており、全体のバランスも良くなった。プロキオンSは1400mで行われるためスプリンターとマイラー、いずれも出走してくるが、近年はよりスピードが求められるためスプリンター優勢の傾向が強い。昨年3着でこのレースへの適性を既に示しており、上昇度を加味すると着順を上げてくる可能性が高いと見た。馬体の張りや毛艶も申し分ない状態で、勝ち負けに期待したい。 |
父 | シニスターミニスター |
母 | キングスベリー |
母父 | キングヘイロー |
通算成績 | 41戦8勝 |
重賞勝利 |
17年プロキオンステークス(G3)
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連対時 平均馬体重 | 443kg (最高:458kg) (最低:434kg) |
前走時馬体重 | 482kg |
POINT |
オープン入りした当初は450キロ足らずの馬体重で、ダートを主戦場とする牡馬にしては華奢な体つきをしていたが、キャリアを重ねて逞しい馬体へと変化した。骨格自体は平均サイズといったところだが、付くべきところにしっかりと筋肉が付き、特にトモには大きなスジが浮き上がっているように、年齢を感じさせない張りをキープしている。以前は左回りを苦手としていたが、成長とともに全体のバランスも整ってきたため、コースを選ばずに力を発揮できるようになった。体型的にも1400mが上限といったタイプで、スピードタイプの素軽い体つきでこのレースへの適性は高い。1年前の立ち写真と比較しても見劣らない馬体で、毛艶も良い。脚質的に極端に脚抜きの良い馬場では分が悪いものの、良~稍重馬場くらいなら十分差し込めるデキにあると見た。 |
父 | キンシャサノキセキ |
母 | サクセスアイニー |
母父 | ジャングルポケット |
通算成績 | 19戦8勝 |
重賞勝利 |
19年黒船賞(G3)
18年さきたま杯(G2)
18年かきつばた記念(G3)
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連対時 平均馬体重 | 530kg (最高:542kg) (最低:516kg) |
前走時馬体重 | 542kg |
POINT |
2走前の黒船賞を制した際の馬体重が541キロと、現役でも指折りの大型馬。雄大な骨格に豊富な筋肉を携えていて、正方形で容量が大きいトモはもちろんのこと、特に肩回りの筋肉は盛り上がるように発達しており目を見張るモノがある。この馬は前駆に相当なパワーを秘めていそうで、力強い掻き込みができそうだ。力を要する馬場状態が合っている印象があり、乾いた馬場でこそ持ち前の力強さが活きるはず。写真をズームアップすると肩から前腕にかけて無数の血管が浮き上がっており、馬体の張りは相当良さそうだ。肋骨も薄っすらと見えるようにムダ肉の無い仕上がりで、1週前にして体は出来上がっている。好勝負を期待。 |
父 | ゴールドアリュール |
母 | ブライトサファイヤ |
母父 | サンダーガルチ |
通算成績 | 22戦7勝 |
重賞勝利 |
18年東京中日S杯武蔵野S(G3)
17年ユニコーンステークス(G3)
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連対時 平均馬体重 | 532kg (最高:546kg) (最低:526kg) |
前走時馬体重 | 546kg |
POINT |
バランスの良いシルエットで、横見の写真だけでは540キロを超える大型馬とは思えないほど軽さを感じさせる体つきをしている。筋肉が付いている前提の上で、全体に引き締まったムダ肉の少ない体型をしているため、全く重苦しさを感じさせない。1400~1600mで勝ち星を挙げているが、前肢が短く胴も詰まり気味のため、より能力を活かせるのは1400mのほうではないだろうか。その素軽さからスピード勝負にも対応可能と見ている一方、展開に左右される後方脚質は脚抜きの良い馬場では有利とはいえない。良馬場希望のタイプだろう。近走の立ち写真では昨年のチャンピオンズC前が一番と言える仕上がりだったが、今回はその時と比較すると筋肉の張りがもう一歩といった雰囲気がある。力を出せる状態にはある一方で、まだ良化する余地もありそう。 |
父 | Speightstown |
母 | Mostaqeleh |
母父 | Rahy |
通算成績 | 24戦6勝 |
重賞勝利 |
18年プロキオンステークス(G3)
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連対時 平均馬体重 | 511kg (最高:520kg) (最低:498kg) |
前走時馬体重 | 518kg |
POINT |
胴が詰まった正方形のシルエットで、クビや四肢も短く、飛節も曲飛の部類に入る造り。肩回りの筋肉は丸みを感じさせるように発達しており、前駆も力強い。短距離適性に秀でた馬体構造をしている。昨年このレースを日本レコードで制しているが、ベストの距離は1400mよりも1200mといった印象があり、生粋のスプリンターといったイメージ。ただプロキオンS自体マイラーよりもスプリンターが優勢なレースと言えるので、今回割り引く必要はない。デビューから一貫してダートを使われているが、蹄は芝馬のように薄く、脚抜きの良い高速馬場で強い一因と考えている。1週前の時点では雨が降る可能性があり、湿った馬場では文句なしの有力候補。ドバイ帰りでも馬体は寂しく映ることなく、前回の立ち写真(根岸S)よりも状態は明らかに上。ムラの多い馬ではあるが当然注目の1頭。 |
父 | ロードカナロア |
母 | ワイルドラズベリー |
母父 | ファルブラヴ |
通算成績 | 12戦4勝 |
連対時 平均馬体重 | 505kg (最高:514kg) (最低:496kg) |
前走時馬体重 | 508kg |
POINT |
バンテージを巻いているため少し隠れてしまっているが、立ち気味で短い繋ぎの造りをしており、ダートで成績を上げたのも納得できる砂向きの脚元。父ロードカナロア譲りの豊富な筋肉量で、胸前やトモのボリュームは既に重賞やG1で成績を残している馬たちにも見劣らない。古馬オープンとの対戦は今回が初めてだが、十分通用する素質を秘めているはずだ。適性としては「マイラー寄りの1400ベスト」といった印象があり、究極のスピード勝負よりもある程度時計を要するくらいの馬場が合いそう。良馬場希望のタイプだ。現状でも馬体の張りは上々といえる状態だが、強い相手に揉まれることによって、筋肉の輪郭がよりハッキリとしてきそうな雰囲気を感じる。成長余地を残した馬体でこの相手に好勝負できるようなら、今後が非常に楽しみになる。試金石の一戦。 |
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