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新潟記念

小倉2歳S

札幌2歳S

今週のイチオシ

カヴァル

(牡4、美浦・勢司厩舎)

エイシンフラッシュ
ペニーホイッスル
母父サンデーサイレンス
通算成績12戦4勝
連対時
平均馬体重
496kg (最高:508kg)
(最低:484kg)
前走時馬体重508kg
POINT
前走時の馬体重が508キロと雄大な馬格を誇るが、バランスが整っているため重苦しさを全く感じさせない立ち姿を披露している。今回が重賞初挑戦とあって持ち時計はないものの、新潟外回りでのスピード勝負にも十分対応できると見た。胸が深く前脚がやや短く映るが、これは立派な心肺機能を備えている証。更に飛節は真っ直ぐに伸びており、長く良い脚を繰り出すのに適した直飛節。高速決着になりやすく、スピードの持続力が問われる新潟記念にピッタリの馬体と言っていいだろう。4歳馬でまだ良化の余地を感じさせつつも、後肢の下腿部には血管が明瞭に浮き上がっており、馬体の張りは上々。毛艶も黒光りしていて体調面に不安なし。勝ち負けに期待。

カデナ

(牡5、栗東・中竹厩舎)

ディープインパクト
フレンチリヴィエラ
母父French Deputy
通算成績18戦3勝
重賞勝利 17年報知杯弥生賞(G2)
16年ラジオN杯京都2歳S(G3)
連対時
平均馬体重
460kg (最高:474kg)
(最低:454kg)
前走時馬体重474kg
POINT
背中が短めで、腹側のラインが後躯に向かって引き締まっている。父ディープインパクトは直飛節の構造をしていたが、この馬は飛節が「く」の字に折れている曲飛。胴・背中の構造も含め、瞬間的に速い脚を繰り出すことのできる瞬発力に特化したタイプ。オープンに上がってからの好走は全てコーナー4つの舞台であり、直線が短いコースでこそ特長が活きる。日本一直線が長く、持続力が問われる新潟外回りコースでは、脚の使いどころがカギになる。昨年の中山金杯以来の立ち写真となるが、季節の違いもあるとはいえ、毛艶・馬体の張りは今回の方が断然良く見える。ただ、腹周りは以前と比較してややふっくらと見せているので、もうひと絞りできればなお良し。函館→小倉と輸送が続く中でも馬体を減らしていないように、体調自体はかなり良さそうだ。

センテリュオ

(牝4、栗東・高野厩舎)

ディープインパクト
アドマイヤキラメキ
母父エンドスウィープ
通算成績10戦4勝
連対時
平均馬体重
453kg (最高:466kg)
(最低:446kg)
前走時馬体重466kg
POINT
さすがに大型牡馬との比較では華奢に映ってしまうものの、胸前やトモなど付くべきところにしっかりと筋肉が付いている。頭部が小さく、クビさしも細めでやや長くシャープに映る造り。この辺りは牝馬らしい素軽さが感じられる。各パーツが主張しすぎない馬体で、何よりもバランスの良さが最大の特長。比較的、舞台を問わずに力を発揮できるタイプと考えている。あえて触れるならばやや背中が短く、腹側のラインが後肢に向かって引き締まっているように、瞬発力に優れた形をしているため、決め手の活きるレースでさらにパフォーマンスを上げてくるだろう。小倉で1分57秒台の高速決着にも対応しているが、新潟記念は大型馬に有利な持続力勝負になりやすいので、どこまで対応できるか。毛艶や馬体の張りは問題なく、2ヶ月半ぶりの実戦も太め感なし。力を出せる状態に整った。

ダイワキャグニー

(牡5、美浦・菊沢厩舎)

キングカメハメハ
トリプレックス
母父サンデーサイレンス
通算成績17戦6勝
連対時
平均馬体重
491kg (最高:500kg)
(最低:484kg)
前走時馬体重500kg
POINT
バランスの良さもさることながら、やはり目を引くのは豊富な筋肉量。トモには明瞭で大きなスジが浮いており、肉付きも良く相当なキック力がありそう。肩周りの筋肉も血管が浮き上がるほど皮膚が薄く、クビさしの筋肉が隆起しているように、前駆も非常に力強い。軽さよりもパワーで勝負するタイプと見て良いだろう。筋肉量の多さからか胴はやや詰まり気味に見える体型で、飛節の折りも深い曲飛。高速決着は合っている印象も、馬体構造からは長く良い脚を使うイメージはあまり湧いてこないため、持続力が問われるレースでどこまで対応できるか。全身に血管が浮いているように馬体の張りが良く、毛艶も光って体調は文句なしに良さそうだ。夏場なのでレースまでにキッチリ絞れてくると思うが、3ヶ月ぶりの分か腹周りはややふっくらとしている。もうひと絞りされれば完璧。

ユーキャンスマイル

(牡4、栗東・友道厩舎)

キングカメハメハ
ムードインディゴ
母父ダンスインザダーク
通算成績11戦4勝
重賞勝利 19年ダイヤモンドS(G3)
連対時
平均馬体重
483kg (最高:492kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重492kg
POINT
前走時の馬体重が492キロ。牡馬の中でも平均以上の馬格だが、胴周りに伸びがあることと、筋肉が主張しすぎない肉付きから、立ち姿は素軽い印象を受ける。昨年の菊花賞、今年のダイヤモンドSと長距離戦で結果を残しているが、中距離のスピード勝負にも対応可能だろう。天皇賞(春)前の立ち写真と比較して筋肉量がかなり増えてきており、夏を越して馬体がさらにボリュームアップしてきた。恐らく馬体重は500キロを超えてくるのではないだろうか。胴長で四肢も長いため持続力も秀でており、大型馬が強く、持続力が問われる新潟記念への適性は高そうだ。4ヶ月ぶりの実戦となるが、腹周りにムダ肉は感じられずスッキリとした仕上がり。下腿部にも血管が網目状に浮いており、馬体の張りも抜群。好勝負に期待したい。

レイエンダ

(牡4、美浦・藤沢和厩舎)

キングカメハメハ
ラドラーダ
母父シンボリクリスエス
通算成績8戦4勝
重賞勝利 19年エプソムカップ(G3)
連対時
平均馬体重
483kg (最高:486kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重486kg
POINT
全兄にダービー馬・レイデオロがいる超良血。全体のシルエットは兄を彷彿とさせる雰囲気があり、ポテンシャルの高さを感じさせる立ち姿だ。前走時の馬体重が486キロ。レイデオロも480キロ台の馬体重で出走しているようにほぼ同じくらいの馬格だが、兄よりも胴が詰まった体型をしていて、飛節の折りも深い。胴の造りは伸縮性に優れており、曲飛で後肢の回転力も優れている。サッと瞬間的に加速できる末脚がこの馬の最大の武器で、前走のエプソムCのようなスローからの決め手勝負に強い。新潟記念は前半から淀みないペースで流れ、後半の1000mで更に加速する。持続力が問われるレースだけにどこまで対応できるか。肋骨が薄っすらと浮いたスッキリと見せる仕上がりで、筋肉の輪郭もハッキリと確認できるように馬体の張りも上々。デキに関しては文句なし。

カイルアコナ

(牝2、栗東・高橋忠厩舎)

キンシャサノキセキ
コナブリュワーズ
母父キングカメハメハ
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
430kg (最高:430kg)
(最低:430kg)
前走時馬体重430kg
POINT
デビュー戦の馬体重は430キロとやや小柄だが、骨格に対しての筋肉量が豊富で、肩周りの筋肉は盛り上がるように発達している。トモも横幅があって容量が大きく、短距離を走る上で強みになるだろう。明瞭なスジも浮いていてパンとした張りも感じられ、後肢がしっかりしているからこそスタートからスッと加速することができるのだろう。2歳夏にして馬体のシルエットが整っており、完成度は他馬と比較しても高めに映る。繋ぎの角度は平均的だが、蹄に厚みがあるので、最終週の荒れた馬場でも問題なく力を発揮できそうだ。薄っすらと肋骨が感じ取れるムダ肉のない仕上がりで、毛艶も良い。上位争いが見込める。
今週のイチオシ

トリプルエース

(牡2、栗東・斉藤崇厩舎)

Shamardal
Triple Pirouette
母父Sunday Silence
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
458kg (最高:458kg)
(最低:458kg)
前走時馬体重458kg
POINT
骨格に対して頭が小さく、小倉2歳Sに出走予定で立ち写真がある馬の中で最もバランスの良さを感じさせる立ち姿。背中がやや短く、腹側のラインも後躯に向かって引き締まっている。飛節も「く」の字に折れた曲飛で、回転力が高そうだ。これらの造りは瞬間的に速い脚を繰り出すことのできる、差し・追込タイプに多い体型。曲飛は小回りコースでの立ち回りも得意とする場合が多いので、小倉替わりはむしろプラスに働きそう。ざっくりとした体型的なイメージでは、17年の勝ち馬アサクサゲンキと近く、このレースへの適性は高いと見た。毛艶も黒光りしており、前腕や下腿部の血管を見ても、馬体の張りはなかなかのモノ。勝ち負けに期待したい。

マイネルグリット

(牡2、栗東・吉田厩舎)

スクリーンヒーロー
マイネショコラーデ
母父ロージズインメイ
通算成績2戦2勝
連対時
平均馬体重
476kg (最高:478kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重478kg
POINT
父スクリーンヒーローから遺伝した大きな腹袋が特徴的。ロベルト系は総じて腹袋が発達している馬が多く、上がりの掛かるような展開も苦にしない。母父もロージズインメイと全体的にダート色の強い血統構成で、骨格はがっしりとしている。それに伴って肩周りにも筋肉が付いているが、クビさしを見るとまだ細身で華奢な印象があり、成長途上といった雰囲気が漂っている。馬体はまだまだボリュームアップしてきそうだ。腹周りから後躯にかけてのラインを見た限りでは、血統のイメージ以上にサッと速い脚を使えると考えており、溜める競馬も面白い。1週前にして毛艶はピカピカで、肋骨も薄っすら浮いているように仕上がりは良さそうだ。

ラウダシオン

(牡2、栗東・斉藤崇厩舎)

リアルインパクト
アンティフォナ
母父Songandaprayer
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
488kg (最高:488kg)
(最低:488kg)
前走時馬体重488kg
POINT
全体的にバランスが整っているが、その中でも特筆すべきは肩周りの筋肉。盛り上がるように発達しており、スジがハッキリと確認できるほどパンと張っている。父のリアルインパクトはディープインパクト産駒の中でもかなり大柄で骨量・筋肉量に恵まれていたが、この馬にも父方の特長が出ていると見て良さそう。飛節の折りが深い曲飛で、サッと速い脚も使えそうな構造。小回りコースも問題なくこなせるはずだ。小倉2歳Sは最終週に行われるが、コースの特性上スピードが要求されやすい。この馬はどちらかといえばパワーで勝負するタイプに映るため、どこまで速さに対応できるかがカギになる。6月の新馬戦以来のレースでも、馬格の割にスッキリと仕上がっており、力は出せる状態に整った。

エイリアス

(牡2、栗東・浅見厩舎)

ロードカナロア
コードネーム
母父サンデーサイレンス
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
466kg (最高:466kg)
(最低:466kg)
前走時馬体重466kg
POINT
まず目を引くのは横幅があって容量が大きなトモの筋肉。父ロードカナロア-キングカメハメハと続くキングマンボ系の特徴である正方形のトモは、豊かなスピードとパワーの源。まだ骨格は完成途上で、キ甲が抜けていないためトモ高に映る。重心がやや前傾しているので距離はマイルあたりがベストの印象も、この馬は胸が深いため、高い心肺機能を秘めている可能性が高い。1800mくらいまでなら無難に対応できるのではないだろうか。胴が詰まった体型で、一気に末脚を爆発させることで持ち味が生きるタイプ。札幌はキーンランドC週から外差しも利くようになってきているので、じっくり溜めて終いを生かす競馬が見たい。馬体の張りも現状のベストといえる状態で、腹周りも引き締まっている。問題なく力を発揮できるはずだ。

ゴルコンダ

(牡2、美浦・木村厩舎)

ヴィクトワールピサ
ゴレラ
母父Grape Tree Road
通算成績2戦1勝
連対時
平均馬体重
518kg (最高:518kg)
(最低:518kg)
前走時馬体重518kg
POINT
馬体を見て、ひと目で分かる胴長の体型。新馬戦では控える競馬から抜け出しを図ったが、切れ負けするような形で3着。一転、自ら主導権を握った前走では2着に大差を付けて圧勝したように、溜めて切れを生かすよりも、長く良い脚を使わせることで持ち味が生きる持続力タイプ。馬体重も前走時で518キロとかなりの大型馬で、小細工なしに外を回す競馬や、前走のような逃げを打つスタイルで持ち前の持続力が真価を発揮するだろう。札幌芝は1週前の時点でかなり時計が掛かっている印象だが、この馬は筋肉量も豊富なのでパワー負けはしないはず。背中には銭型が、全身には血管が浮いていて、代謝の良さや馬体の張りを感じさせる。前走時とは全く異なる条件だが、自身の能力を引き出せれば上位争いに持ち込めるはず。
今週のイチオシ

ダーリントンホール

(牡2、美浦・木村厩舎)

New Approach
Miss Kenton
母父Pivotal
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
516kg (最高:516kg)
(最低:516kg)
前走時馬体重516kg
POINT
ニューアプローチ産駒はこれまで日本に10頭が輸入され、5頭が勝利を収めている。いずれも500キロ近い大型馬ばかりで、この馬も前走時で516キロ。2歳夏としては相当立派な馬格の持ち主で、雄大な骨格と筋肉が前面に主張したサドラーズウェルズ系の特徴が見受けられる。高速決着は厳しそうだが、時計の掛かる条件にピッタリの馬体と言っていいだろう。札幌の芝コースは一気に時計が掛かるようになってきており、馬場の悪化が進む最終週では、さらにパワータイプが台頭する条件になる可能性が高いと見ている。この馬はバランスも整っていて、曲飛で速い脚も使えそうな構造をしているので、重賞の舞台でも持ち前の末脚を発揮してくれると見た。下腿部には血管が網目状に浮き、腹周りも1週前にしてスッキリと見せている。文句なしの好仕上がりでレースを迎えられそうだ。

レザネフォール

(牡2、栗東・池江寿厩舎)

キングカメハメハ
ラナンキュラス
母父スペシャルウィーク
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
444kg (最高:444kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重444kg
POINT
キ甲が抜けきっていないこと、また飛節が真っ直ぐに伸びた直飛ということもあるが、後肢自体が長いために分かりやすい腰高な体型をしている。デビュー戦の馬体重が444キロ。牡馬の中では小柄だが、胴が短めで胸前・トモの筋肉量も骨格に対して多くまとまっているため、立ち写真は数字よりも迫力がある印象。本来、胴が短いため瞬間的に速い脚を繰り出せる造りであるが、後肢自体が長いので、前走のように徐々にポジションを押し上げて進出するような競馬も可能。比較的舞台を選ばずに力を発揮できるタイプと見ているが、最終週の札幌芝はよりパワーを要する条件になる可能性が高く、欲を言えばもう少し馬格が欲しいところ。とはいえレースの流れに合わせて自在に動き、力を発揮できる点は強みになるはず。毛艶は黒光りして筋肉の張りも文句なしの好仕上がり。力は出せそうだ。
出走予定馬すべての立ち写真が掲載されるとは限りません。
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