競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【プロキオンS】今年もけっこうなメンバー構成
2020/7/7(火)
ま、歴史はともかくも今年もけっこうなメンバー構成だ。南部杯勝ちのサンライズノヴァが59キロだが、10勝馬サクセスエナジーが57キロと斤量面でやや軽くなる。
コーラルSでそのサクセスエナジーを負かしたレッドルゼルだが、前走の天保山Sではスタートでアオリ後ろからの競馬。前を行くサヴィを半馬身捕らえ切れなかった。だが一度7着敗退があるだけで超堅実なレッドルゼル。今回も1番人気は間違いなさそうだ。
ラプタスも行けた方が断然にいい馬。サクセスエナジーとの枠順が問題となろう。武豊騎手騎乗のヤマニンアンプリメもスマートダンディーも一発を秘めた馬。流れ次第ではおおいに出番があるかも知れない。ダート競馬に初参戦のエアスピネル。初物、買いか否かだ。
【CBC賞の回顧】
20年7/5(日)4回阪神2日目11R 第56回 CBC賞(芝1200m)
- ラブカンプー
- (牝5、栗東・森田厩舎)
- 父:ショウナンカンプ
- 母:ラブハート
- 母父:マイネルラヴ
CBC賞(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒
梅雨時でもあり、晴れる日が少ない。土曜はかなりの雨量であった。天気予報を暇さえあれば観ていた。日曜もかなり降るはずだったが、日差しも出て思いのほか乾きが早くなった。函館の巴賞。福島のラジオNIKKEI賞。そして阪神でのCBC賞も全てが逃げ切りとなった。ラブカンプーが逃げると読めた人は凄いし、馬券も的中させることが出来たはず。
まずスタートが好発。ポンと出たなりで一度たりとも並ばれずでの勝利。このクラスでの2馬身近い差は圧勝と言っていい。ゴール前ではラブカンプーとアンヴァルが後続を決定的な差で走り抜けた格好だった。
ハンデ頭で1番人気のクリノガウディーは12着。斤量が応えたというよりも、まるっきり伸びそうもない気配だった。パドックとか観ていても、何か硬そうな歩様を感じた。逆に2番人気のタイセイアベニールは、筋肉がもりもりで絶好の体調と見えた。だが位置が思ったよりも後ろめ、前には馬群。外を廻る選択肢もなく、内めのまま直線へ。直線半ばで選択を内に切り替えてかなりの脚を使ったが、レッドアンシェルにハナ差届かずの4着。3連複で24万と荒れに荒れたCBC賞となった。
2年前、3歳時のラブカンプーはアイビス・サマーダッシュで2着を初め北九州記念3着、セントウルSとG1・スプリンターズSでファインニードルの2着連続と、勝ち星こそなかったが短、距離路線での将来は明るかった。だが年が明けた2019年の9戦、そして今年の5戦目は、ダートへと矛先を向けたが惨敗。そこまで二桁着順ばかり。前走の新潟、韋駄天Sで久しぶりに7着、コンマ6秒差の競馬が出来て上昇気配だったのだろう。
森田師のコメントを後で読むと、『揉まれない競馬が出来れば』とあった。まさしくその通りの展開となった。51キロの軽量で、見事に外連味のない逃げを打った斎藤騎手も大金星。重賞制覇は同期でも一番となった。
長いトンネルから抜けたラブカンプー。この夏の注目の1頭となった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。