競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【クイーンS】今年はジョッキーの顔ぶれの豪華さが特徴的
2020/7/28(火)
今年のクイーンステークスは、ジョッキーの顔ぶれの豪華さが特徴的だ。ルメール騎手に武豊騎手、岩田康騎手は札幌を主戦地に置いている夏だが、藤田菜七子騎手、内田博騎手。柴田善騎手も騎乗予定だ。関西からは福永騎手、和田竜騎手が乗り込んでくる。これだけでもジャパンオールスターみたいなレースとなる。
重賞ウイナーが3頭。コントラチェックにスカーレットカラー、フェアリーポルカだが、昇り馬のサムシングジャストにタガノアスワド。昨年3着のカリビアンゴールドも元気いっぱい。充電明けのサムシングジャストが怖い存在。
【アイビスSDの回顧】
20年7/26(日)2回新潟2日目11R 第20回 アイビスサマーダッシュ(G3、芝1000m)
- ジョーカナチャン
- (牝5、栗東・松下厩舎)
- 父:ロードカナロア
- 母:ラッキーダイス
- 母父:ネオユニヴァース
アイビスSD(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒
昨秋のルミエールオータムダッシュでは、レジーナフォルテに差されてしまったライオンボス。58キロを背負っていた点が最後の詰めに響いたか。そして今年の韋駄天Sでは逃げるジョーカナチャンをキッチリとアタマ差し切った。その時よりコンマ5キロ軽くなるうえに、相手が1キロ増し。
ところが、レースは前走と同じパターンで逃げるジョーカナチャンが外。自分はその内から脚を伸ばしてきたが、前走とは反対にアタマ差届かずの2着となった。むしろ勢いでは3着の1000初のビリーバーに圧倒されそうであった。
スタートからけっこう押して行くライオンボス。それに反して、内からジョーカナチャンはすっと前に出てくる。外へと取りついた時には、ジョーカナチャンはライオンボスよりも前にいた。内からラブカンプーが接近してきて3番手となる。外ラチ沿いにあるあと400の赤い棒を機に追い出すのは前回とほぼ同じ。
ところが今回は前を行くジョーカナチャンが渋太い、渋太い。 追い出しを遅らせたジョーカナチャン。菱田騎手は顔の横で見せムチを使う。追いまくるライオンボスとやや強め程度に見えるジョーカナチャンのアクション。そんな図だった。
最初のゲートからの1Fが11.7。過去19回のなかで11.6で行った馬が3頭。その次に速いラップである。3Fの32.1も過去のなかの3番目タイ。この速さが武器のジョーカナチャン。この新潟千へ使った時の鞍上が鮫島駿騎手。当然に逃げ切りだが、その時の2着馬には菱田騎手が乗っていた。この二人の関係は何かの因縁か。
ジョーカナチャンの武器は速さ。負けた時は半年ぶりと、枠も内枠だった。来年までない新潟千直。5歳牝馬だけに来年があるのか判らないが、自分の型を持っている馬はいつか華咲き、実がつく。
ただビリーバーの様に初めての千直で好走、激走する馬もいる。そこらを見つけるのが毎回の馬券のテーマである。だが今年も大いに楽しんだアイビスサマーダッシュでありました。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。