天皇賞、そして3日のJBC4戦と慌ただしかったこの1週間であった。秋晴れも続いて競馬日和である。G1連戦も今週は一服。谷間の競馬開催となる。

東京はアルゼンチン共和国杯。ハンデ戦でもあり、先週のあのスーパーホースの戦いとはちと違う。阪神ではダートのみやこS。これもJBCの後では何か霞むのは仕方あるまい。それでも馬券は売るし 買わねばならない。

やはりハンデ戦で面白いアルゼンチン共和国杯をピックアップ。前走勝っている馬はただ1頭。オーソリティであるが、3歳の春、5月の青葉賞以来の競馬となるオーソリティ。鞍上は仕事師、ルメールである。前走時に骨折をして戦列を離れていたものだが、1週前にルメールが騎乗して感触を確かめている。54キロの斤量は軽い。トップハンデは58キロのユーキャンスマイル。春の天皇賞4着以来だが、実績は上位だ。


アーモンドアイ
【天皇賞・秋の回顧】

20年11/1(日)4回東京8日目11R 第162回 天皇賞・秋(G1、芝2000m)
  • アーモンドアイ
  • (牝5、美浦・国枝厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:フサイチパンドラ
  • 母父:サンデーサイレンス

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ビデオで撮ってあるNHKの競馬番組。『天皇賞』を月曜にユックリと観る。流暢な鈴木康元調教師の解説が心地いい。馬場に先入れしてスタートを待つポケットのアーモンドアイとルメール。時にルメールが大きく《フーッ》と息を吐くのが見える。彼でもプレッシャーがあったのが良く判る。そしてゴール後に引き上げてくる時に瞼を押えて天を仰ぐルメール。感激の涙が溢れ出てくるのだろう。競馬は何と素敵で美し過ぎるのだろうか!

アーモドアイ、楽勝!と思ったのだが、終わってみるとフィエールマンに半馬身差。クロノジェネシスともコンマ1秒差しかなかった。

完璧な騎乗で勝利を導いたルメールと、それに応えたアーモンドアイ。対してスタートしてから5、6完歩行ったあたりで外からの押圧で窮屈になったクロノジェネシスとフィエールマン。特に位置を下げざるを得なかったのがフィエールマン。

ダノンレミアムが先手を取って緩いペースを造り、前にいる馬が断然優位な流れのなかで、ここまで追い詰めてきたフィエールマンの底力。この半馬身差とそこからクビ差の2頭が自分の思った位置で競馬していたら、いったいどんな結果になっていたのか。

アーモンドアイ、G1最多勝!、の華やかな処だけでは競馬は終わらない。強力なライバルがあってこそ、その勝利の価値が判ると言うものである。次にこの相手と戦うことがあったとしても同じ舞台ではない。むしろ相手に有利な舞台設定になっているかも知れない。

そして新勢力がいる。そう、牝馬ではデアリングタクト、牡馬ではコントレイルが疲れをとって戦いの場を求めてくるはず。そんな楽しい時間が近い将来に来るだろう。

アーモンドアイの競馬を、あと何度見られるのだろうか。ロードカナロアにフサイチパンドラと共にG1馬の父母を持ち、過去の名馬達を上廻るG1を8勝と言う金字塔を残したアーモンドアイ。コロナ禍のなかでの競馬開催だが、記憶に残る戦いであったのは間違いない。