競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【JBCレディスクラシック・解説】左手を高々と挙げたノリ!アンジュデジールが接戦を制す!!
2018/11/6(火)
18年11/4(日)5回京都2日目12R 第8回JBCレディスクラシック(Jpn1)(ダ1800m)
- アンジュデジール
- (牝4、栗東・昆厩舎)
- 父:ディープインパクト
- 母:ティックルピンク
- 母父:フレンチデピュティ
アイアンテーラーが先手。カワキタエンカにサルサディオーネも絡んで行く。終始、12秒台の前半でのラップで流れるよどみのないレースとなった。 いつの間にか16番枠の大外からこのインの絶好位にいたのかのアンジュデジール。4コーナーのカーブからズーッと馬体を併せたラビットランとの追い合い。2頭の長いマッチレースになったが、最後にアンジュデジールが頭前に出た。外からジワジワと脚を伸ばしたファッショニスタがクイーンマンボを交わして3着。 ラビットランとの死闘を制した横山典騎手。ゴールを過ぎてすぐに左手を空へと掲げた……。
このレースのポイントは、スタートから1コーナーに入るまでに決まったと言っても過言ではなかろう。そこまでに横山典騎手の乗り方が際立っていた。前を行く4頭の後ろのポケットに外からスーッとインまで入りきり、最初のカーブを内ラチで廻っているのである。ジワっと順位を上げてきたラビットランと、内と外が逆になっているのである。そして平均的に流れたなかで、4コーナー手前でもバテてきたカワキタエンカをインから交わして、再びラビットランと馬体を併せての直線へと入る。 そして面白いのは2頭の追い合いであった。右ステッキで追う横山典騎手、左ステッキで追うミルコ。何と横山典騎手のステッキの連続回数は15、6発はゆうに入っていたはず。だが勝利に真っすぐな者に、そんなことは微塵も関係ない。 会心の勝利であり、最高の乗り方で勝利に導いた横山典騎手のアンジュデジールであった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。