19頭の前登録だったが先週のJFに出走のスウィプーフィートが出てこないだろうから除外はないだろう。関東馬が5頭、栗東入りしている馬は居ない。負け知らずの馬は4頭、牝馬のタガノエルピーダのみが1勝馬で後は2勝馬だ。

注目はジャンタルマンタル。デイリー杯2歳Sの勝ち馬。稍重と回復した馬場のラチ沿いから抜けてきたのだがかなり行きたがるのを抑えての道中、最後はステッキを3発入れて抜けだした後は流し気味のゴールだった。新種牡馬パレスマリスの産駒で芝で2頭が勝ち馬だ。驚いたのは鞍上が川田Jに替わった。だからダノンマッキンリーがルメールJになったものか。

もう1頭の負け知らずはエコロヴァルツ。武豊Jの復帰を待っていた1頭だ。関東馬のシュトラウス。3番手から抜けだしての重賞勝ち。セットアップは札幌2歳Sの勝者。前で競馬出来るのは最大の武器。ただ土曜が雨で日曜から寒いと天候も混戦に加わるか。

【阪神ジュベナイルFの回顧】

23年12月10日(日)阪神11R 阪神ジュベナイルF(G1) 芝1600m)
  • アスコリピチェーノ
  • (牝2、美浦・黒岩厩舎)
  • 父:ダイワメジャー
  • 母:アスコルティ
  • 母父:Danehill Dancer
  • 通算成績:3戦3勝


終わってみれば栗東入りしていた関東馬のワンツー。いや、3着まで入れたら関東馬の大攻勢だった。関東馬6頭のうちの3頭である。それも3戦無敗とした負け知らずのダイワメジャー産駒の勝利であった。

関西馬で最先着は1番人気のサフィラ。だが前の3頭からは3馬身のゴールだった。タイムは1・32・6のレースレコード。1000M通過が58・2。逃げたシカゴスティングが5着に粘った。平均ペースの逃げだろう。

4年前にレステンシアが逃げ切った時が57・5だから早くはないが上りの34・4は6年前のラッキーライラック、ソダシの3年前とまったく同じ。勝ち馬の切れが鋭かったと解釈できる。

道中で三列めの真ん中でレースをしたアスコリピチェーノ、直線半ばで前が開いた瞬間に素ばやく外へと出してきた。その真後ろにいたステレンボッシュがその後をついて行く。馬場の真ん中へ出したアスコリピチェーノ。コラソンビートが並んで2頭で追いだす。

1F前からビッシリと追い合う2頭。その外へ出すのはロスと内へ進路を切り替えるルメール。内へ加わったステレンボッシュ。むしろアスコリピチェーノを上廻る勢いだ。だがアスコリピチェーノも抜かさない。僅かだが前に出た処がゴールと見えた。

コラソンビートは最後に力尽きて3着。サフィラは外を廻った分なのか差のある4着。キャットファイトは好発だったが下げてアスコリピチェーノらが居るポジション。直線も同じ様に外へ出してきたが伸びあぐねたのは距離か。

北村宏Jの淡々としたインタビューに、競馬ファンとして嬉しく聞いていた。いぶし銀の勝利である。これで来春は女王として、まだ戦っていない馬との対戦が待っている。永島Jが7着で田口Jはブービー。でもこれから何度もこの舞台に乗ってくるだろう。いろんな若い力が輝いた仁川の暖かい一日であったが、女神は黙々と仕事をするベテランに微笑んだ。