競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【シルクロードS】荒れた馬場の一発
2024/1/22(月)
芝は先週と同じBコース。そう回復はしまい。まして水木は雪マークまである。そしてハンデ戦だ。アグリ、トゥラヴェスーラ、テイエムスパーダがトップハンデとなる。永島Jが稽古には何度か乗っているトゥラヴェスーラで重賞チャレンジである。
アグリには坂井瑠星Jが初騎乗だが先週の坂路で感触を掴んでいる。テイエムスパーダも酒井学Jは初騎乗。持ち味はスピードだけに枠順と展開ひとつ。
そして注目が関東馬エターナルタイム。母マジックタイムで重賞勝ちをしたルメールが4勝中の3勝の手綱。前々走の1400でいい切れ味。今回さらに距離短縮。ハンデも54と何か大駆けの気配だ。
【東海Sの回顧】
24年1月21日(日)京都11R 東海S(G2) ダート1800m)
- ウィリアムバローズ
- (牡6、栗東・上村厩舎)
- 父:ミッキーアイル
- 母:ダイアナバローズ
- 母父:シンボリクリスエス
- 通算成績:17戦7勝
《若い!、若すぎる!》とレースの前半で言葉にこそしなかったがそんなフレーズが浮かぶオメガギネス。最後は2・0倍となったが一時は1・7倍までにオッズが高まっていた。そこまでの支持はちょっと、と懸念する気持ちもあった。古馬対若さの戦いとは思っていたが、この若さは要らなかった。
逆にウィリアムバローズの冷静なレースぶりは大人の馬、完成されつつある古馬のイメージであった。ほぼ前めでの馬が上位を占める結果。降りも降った雨で不良馬場から始まった馬場コンディションも8Rからは重発表。初ダートのバビットが逃げる展開となったがウィリアムバローズがスッと2番手。
オメガギネスはあまりスタートが素早くもなく、隣の馬と接触もして後脚が流れるスタート。促して前に行ったのかウィリアムバローズの外へとつけたゴール板前あたりで首を何度か振る。それで最初のコーナーでは横との間隔をとった感じだ。2コーナー手前では治まったと思ったが、また真っすぐになると左右に振る。そこからはペースも12秒台の前半のラップが続くから折り合いだす。
前を行くウィリアムバローズに半馬身差で続くオメガギネス。右後ろの前から4頭めにはヴィクティファルスが続く。最終カーブに入る時はウィリアムバローズが先頭となりオメガギネスも並んで廻る。2頭が後ろを1馬身リードして直線へ。ウィリアムバローズの坂井瑠星は右ステッキでオメガギネスの戸崎は左ステッキで追い合うが、少しずつ内のウィリアムバローズが差を広げてゴール。1馬身の差がついていた。
ヴィクティファルスが3着も前には1馬身半。4着がオメガギネスと同じく関東の4歳馬、ブライアンセンス。5着にいい脚を見せた関西の4歳馬オーロイプラータ。ペプチドナイルがハナ差の6着と人気馬が上位を占めた。毎週、坂井瑠星の名前を観る。人馬共に充実の時期を感じた東海ステークスではあった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。