競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【プロキオンS】鉄の掟
2024/7/1(月)
何と言ってもヤマニンウルスと武豊Jの参戦であろう。北海道シリーズ、函館で絶好調の鞍上に導かれてのヤマニンウルス。4戦4勝の負けなし。それも2番手から前を捕らえ完璧な競馬での勝利である。小倉でのデビュー戦で4・3秒もち切っての勝利。あれから約1年。馬体は582キロ。夏場だからそう大きくはあるまい。逃げは3歳馬ブルーサン。気持ち良く先手をとれるか。レガーメペスカも機をみている筈。《連勝馬は負けるまで買え》が鉄則。ヤマニンウルス完勝劇が観たい。
【北九州記念の回顧】
24年6月30日(日)小倉11R 北九州記念(G3)芝1200
- ピューロマジック
- (牝3、栗東・安田翔厩舎)
- 父:アジアエクスプレス
- 母:メジェルダ
- 母父:ディープインパクト
- 通算成績:9戦4勝
梅雨入りして雨予報。NHKの天気予報を何度も観ては雲の動きを確認する。結論は当日は雨はそう降らないとみた。まずは馬場状態が鍵、レースの流れからして違ってしまう。馬券を組み立てるうえでいちばんは馬場だ。正直、当たったのは馬場だけだった。ハンデの北九州記念。3歳馬が斤量面でも有利は誰の眼にも判る。問題は流れ。これだけ逃げたい馬が居れば、息の入らない流れになるだろうと。先頭よりも好位、二列めよりも三列めで脚を貯めていく馬がいいだろうと。
ピューロマジックが先頭でも、そうは簡単には行かせまい。そんな読みはゲートが開いてすぐに間違いだと判った。絶対に先手主張のジャスパークローネはあろう事かいちばん後ろ。ゲートが開く寸前に前へ突っ込んで下がった時に開いて出遅れた様だ。いちばん早かったのはヨシノイースター。ピューロマジックはスタートこそ早くはないものの、ダッシュ付いてからが早い速い。内のテイエムスパーダが押して押して前へ出てきて2番手になるものの1F過ぎに手綱を普通に持つ松山Jとピューロマジック。1馬身差となった。前に入られてテイエムスパーダは引いてペアポルックスが2番手へ。ヨシノイースター、サーマルウィンドと続く。
3Fでは2馬身のリード。アナウンサーが《前半3Fが32・2!》と言う。しかしさらに差は開いて後400で3馬身。ペアポルックスは苦しくなってコーナーリングも悪くなる。ヨシノイースターが交わして前を追う。もっとも接近したのが後200手前。松山Jも左ムチで最後の叱咤激励。ヨシノイースターも半馬身差まででゴール。モズメイメイがサーマルウインドの内をこじ開ける様に出てきたのが驚き。ナナオはゴール前でバテて6着。行ききった逃げ馬は強い。当たったのは馬場の読みだけ、気持ちまでジメジメしてきた。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。