競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【シルクロードS】平林雅芳が注目する台頭可能な穴馬とは
2020/1/28(火)
どうやら週末までの天気で大雨はなく、馬場も回復の傾向か。ただ少し時計のかかる京都芝ではある。内有利だが、スピードの出やすい馬場コンディションではなさそうだ。
セイウンコウセイとモズスーパーフレアがトップハンデ。セイウンコウセイはG1馬だから仕方ないが、モズはやや付けられたか。牝馬の56キロもあまり嬉しくない材料。何よりも、開幕週とかのスピードで押し切る芝馬場が最高の舞台であるモズスーパーフレア。この後には高松宮記念を予定だろうが、そこも例年では外差しの利く馬場。まだしもこの京都の方が戦いやすい。今回の鞍上は松若騎手。音無師の指示どおりに、ケレン味ない逃げを展開するはず。自然に前半は33秒台前半の入り。1000mも55秒台の通過となるだろう。
いちばん戦いやすいのは、内枠を引いた好位づけの馬。レッドアンシェルやアウィルアウェイらが動きやすい。もつれればエイティーンガールやジョイフルも大きく台頭する。枠順に注目。
【東海Sの回顧】
20年1/26(日)1回京都9日目11R 第37回 東海S(G2)(ダ1800m)
- エアアルマス
- (牡5、栗東・池添学厩舎)
- 父:Majestic Warrior
- 母:Nokaze
- 母父:Empire Maker
東海S(G2)の結果・払戻金はコチラ⇒
例年中京の名物レースだが、今年は京都で開催。雨も思ったほど影響なし。58キロを背負うがインティが当然の1番人気。前走あの相手で上り35秒台の決着。力は一枚も二枚も上の存在。内枠スマハマの出方次第でどのような乗り方になるのか興味津々。そして武蔵野Sで揉まれてモロい処を見せたエアアルマスが、すんなりでどこまでやれるのか。まずは前半1コーナーまでの入りが注目の一戦となった。
発馬が良かったのはエアアルマス。真っ先に飛び出して行く。内からスマハマが追い上げ前へと出て先頭。アイファーイチオーがエアアルマスとの間に入って先行。コスモカナディアンと続いて、注目のインティはジンワリと乗られる。最初のカーブの入りは7頭目ぐらい。スマハマは単独の逃げ。離し逃げでなく、引き付けての逃げ。2列目外のエアアルマスでも2馬身ない位置。3列目のインティはエアアルマスから少し間を開けての位置。真後ろにヴェンジェンスが続く。
1000m通過が1.01.7とかなりの緩いペースで進む。インティがどこから行くのかタイミングを観ていたが、ラスト800でまだ動かず。3コーナーを過ぎても上がる気配なく、4コーナーとの中間のラスト600の前に動きだす。
最後のカーブは先に仕掛けて出たエアアルマスに並びかける動き。このタイミングを一歩遅らせる仕掛けに思わず《ウマい!》と声が出てしまう。ただ前を行くエアアルマスが持ったままでインティを抜かせない。インティも並びかけ様とするが交わすだけの勢いにならない。後ろのヴェンジェンスが前の2頭に加わる。この3頭での追いあいとなるがインティ、ヴェンジェンスが先にステッキを使っているのに松山騎手はまだ追わない。少し遅らせエアアルマスを追い出す。ジワジワと後ろ2頭も差を詰めるが半馬身差も完勝で、エアアルマスがダート5戦目で重賞初制覇を飾った。
次なる戦いの場、フェブラリーSで牡馬は57と同じ斤量。今回で得たものをそこでぶつける。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。