競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【阪神大賞典】注目は昇り調子の好調馬
2020/3/17(火)
強すぎる面々と戦ってきていれば、勝利に恵まれてないのも当然。振り返れば菊花賞の後の3戦の香港ヴァーズ、年を明けての日経賞、そして宝塚記念はいろいろなものが重なっての敗戦と思える。
キセキの戦法はやはり先手。自分でペースを造っていくのが理想だろう。心身ともにリラックスされた今回は本来の競馬が出来得るはず。久々に美酒を味わい尽くせることかと思える。
注目は昇り調子のボスジラ。マウントロブソン、ポポカテペトルと兄馬はまだ重賞勝ちがないが、妹のミヤマザクラは重賞ウイナーで桜花賞の有力候補でもある。
20年3/15(日)1回中京6日目11R 第56回 金鯱賞(G2)(芝2000m)
- サートゥルナーリア
- (牡4、栗東・角居厩舎)
- 父:ロードカナロア
- 母:シーザリオ
- 母父:スペシャルウィーク
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前日は中山では雪まで降る大荒れの天気で、中京競馬も芝は重発表だった。雨こそ降らない予報の日曜だが、58キロを背負うサートゥルナーリアには芝がどこまで乾くかが一番の懸念材料であっただろう…。しかし当日レースは稍重から始まったが、9Rで良となった。それまでのレースを観ていても内を開けないコース取りでの決着が続いていて、最悪のシナリオは消えた。
1.3倍の圧倒的支持を受けてのゲートイン。スムーズに出られて絶好のポジションを取っていけた。対照的なのが、2番人気のロードマイウェイ。ゲートをよれる様に出て、直ぐに挟まれる不利まで受ける。思いもしない位置取りになった。
ダイワキャクギニーがここも先手を主張。押して押して先頭へとなるまでは急がせたが、外から来たマイネルファンロンの勢いがそれほどでないのを確認してジワっとペースダウン。3F目と4F目は13秒台を刻むほどにスローダウン。前半1000を63.6と落とす。2番手マイネルファンロンで2馬身、その後ろへサトノソルタスが押し上げて追走する。ラスト800からペースアップ。11秒台と早めるが、そこでマイネルファンロンが間隔を詰めていき、サトノソルタスも間を詰める。
4角を廻って直線へと来たが、ダイワキャクギニーと後続組の差はそうない。ラスト400を過ぎ、300の赤い棒を機に追い出したダイワキャクギニー。外のサトノソルタスが並ぼうかという瞬間に、さらに外をサートゥルナーリアがあっと言う間に通過していく。それも鞍上のルメールのステッキは右手に持ったまま。ただただ手綱を押すだけでゴールへ向かう。ルメールはチラっと後ろを見るほどの余裕。
2着にはそのままサトノソルタスで、3着争いもダイワキャクギニーが粘った。ロードマイウエィは課題のゲートが出てしまった。それにしても、伸びが案外だった。
何と言っても、サートゥルナーリア。ここでは貫禄も違うが、距離が2000はピッタリ。左廻りは全く問題なし。適距離なら大きな仕事をするはず。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。