ファンタジスト

18年9/2(日)2回小倉12日目11R 第38回小倉2歳S(G3)(芝1200m)

  • ファンタジスト
  • (牡2、栗東・梅田智厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:ディープインアスク
  • 母父:ディープインパクト
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馬場も良に回復した小倉2歳S。セプタリアンがゲートを突っかけて外枠発走となる。何やら波乱が起きそうなムードだ。
だが意外とゲート・オープンから熾烈な先行争いは起きず。すっと前に出たファンタジストが内で出て行った2頭の外を楽に追走。4角手前で早めに前を交わしに出て行く。直線も左ステッキを数発入れたが、ラスト50mは流し気味でのゴール。
鞍上は、昨年に続き連勝。ファンタジストも、父ロードカナロアが新潟2歳Sに続いての連勝となった。

数字で言えば、フェニックス賞を勝ったシングルアップが逃げた前半のラップが33.3。それを上廻るのがタムドリームの33.2で、おそらくここらがレースの主導権を握るのかと読める。
シングルアップは、ゲートを待たされたのが影響したか、上にジャンプする様な出方。前へ行くことが出来なかった。ダムロドリームの方は、ダッシュ良く出て行った。ミヤジシルフィードもいい出で、すっと行く。
ファンタジストが、二の脚で前へと出て行く。ルチアーナミルノがその内へ顔を出す。最内のチュウワフライヤーとエイシンノホシが、並んで脚を伸ばして前へ前へと出てくる。内を観たファンタジストの武豊騎手。内の2頭の外でキープをする。ルチアーナミルノとタムロドリームが、その後ろでと隊列が落ち着きだす。

シングルアップが、内ラチ沿いを前へと出てきて3列目。外枠発走となったセプタリアンは、そのひと塊の7頭の一番外にいた。その後ろが、アズマヘリテージが内ラチ沿いで外がジャカランダシティ。最後方がアーデントリー。だが先頭のチュウワフライヤーからは6馬身もないぐらいの凝縮されたもの。
前はファンタジストが内の2頭から半馬身ぐらい下げての3頭目と、脚を貯めている。セプタリアンが位置を上げて、ファンタジストの後ろまで進出。内でシングルアップも同じぐらいの位置にいた。
3Fを過ぎて、武豊騎手が前へと出て行き内の2頭の外へ馬体を並べる。後ろの列の真ん中のルチアーナミルノの鞍上、浜中騎手の手が動きだしている。

前の2頭のエイシンノホシが脱落気味、チュウワフライヤーの外へ並ぶファンタジスト。4角のカーブへと入ってきた。
ファンタジストのコーナーリングが、少し心もとない。外へ膨れ気味なのか手前を替えないのか。武豊騎手が左ステッキを小さく入れて矯正しているのが見える。
それでも馬場のいい処を選んだのだろうか、直線に入ってきてすぐにステッキを抜いて大きく入れるファンタジスト。ラスト200でさらに1発。50mを過ぎた時に2発連続で入れる。そこからは手綱をしごくだけの所作でゴールを割った。
シングルアップの内をアズマヘリテージが抜けて2着。外めに出したミヤジシルフィードが3着。進路を探したアーデントリーが4着。ここらの馬は、道中で内ラチ沿いを走っていた馬達である。

今年の2歳新馬戦が6月から始まり、武豊騎手が乗った新馬が10頭ぐらい。7月15日の中京での11頭目の新馬で勝ったのが本年度のデビュー2歳の初勝利と、遅かったのである。それがファンタジスト。レースぶりが際立って凄かった訳でもない。でもレースを終えて数時間後には、この2歳Sへのプランが出来上がったと記憶をしている。それほどに乗っている者には判る何かの《違い》があったものだろう。迷いなくこの2歳Sでのパートナーへ指名したのである。その後に小倉でいい勝ち方をしたルチアーナミルノでさえも、その気持ちを迷わすことはなかった。

そして迎えた29日の追い切り。坂路で上がり重点での追い切りをする。54.0~38.5~24.8~11.8で、強めの手応えであった。調教ビデオを見直しても、助手の手はそう動かずのゴールで、余力残しのいい動きだったと感じる。
その追い切った後に梅田師と話しをしたのだが、『1200を使うのは、これが最後になると思いますよ』の言葉であった。それがどんな意味なのかはその時にはあまりピンと感じなかったがレースを終えて今原稿を書いていると、《もっと大きなとこをを狙う馬ですよ・・》の意味なのかと思えるもの。そんな感想を持ったファンタジストの完勝ぶりであった。