小牧太＆ナイスミーチューが大一番で勝負を懸ける
2013/12/1(日)
コラム｢夢の途中｣ですっかりお馴染みの小牧太騎手＆ナイスミーチューのコンビ。本年は仁川Sを優勝しているものの、その後は重賞で2度の2着を含む惜敗続き。とりわけ、今回の前哨戦となったみやこSは4着だったものの、当人に悲観の色は一切なし。大得意の阪神コース、G1での逆転を目論んで静かに爪を研いでいる。直前、改めての声明も待たれるが、今回は一足先にオリジナルインタビューで意気込みを語ってもらった。
人馬にとって今年最大のチャンス
－：いよいよ来週はナイスミーチュー(牡6、栗東･橋口厩舎)でJCダートですね。
小牧太騎手：おう、(ナイスミーチューは)順調に来とるわ。内枠が欲しいなあ～。
－：毎回コラムでも書いているように、走るための条件は「内枠、馬場、時計」という感じですか？
太：そうやね。前回は馬場も(敗因に)あったからね。
－：そういう意味で前回のみやこSは、枠はマズマズとしても、当日にちょこちょこと雨が降ってきて、明らかに前に有利な馬場でしたよね。
太：(時計が)速い。それでも、前回は頑張ったけどねえ。
－：元々は京都は前が有利な馬場で、直前の雨も踏まえても、勝ったジョッキーはそこを上手いこと乗ったんでしょうけど、あれで残るということは、どう考えても前が有利だった訳ですよね。そういう意味で、前回のレースの感触はいかがでしたか？
太：内枠やったら、もうちょっと前に行けてるし、良いレースは出来たと思うんやけどね。それに阪神やったら、もうちょっと差を詰めてるなと。
赤木高太郎調教助手：(横槍を入れるようにコメント)でも、後ろからも危なかったけどね。
－：グランドシチーは基本的にどんな時でも追い込んで来るように思うんで。
太：僕も先に追い掛けて行ってるもんね。その分もあるやろうね。
－：一連のレースを見てきて、阪神のJCダートだったら、面白いんじゃないかなと思うんです。
太：僕にとっても、ナイスミーチューにとっても、今年一番のチャンスやと思うよ。大一番……。やっぱり勝ちたいね、G1を。
－：盟友のユタカさん(武豊騎手)は、キズナに続き、今年はトーセンラーでもG1を勝っちゃいましたね。
太：ねえ。刺激になるというか、勝ちたいわ。
－：この馬は昨年、シリウスSを制して、みやこS、JCダートには他の騎手が乗って、その時は着順はふるわなかったわけで、その要因はわかりますか？
太：やっぱり、付いて行かんでしょ、(他の人が)乗った時は。地方のジョッキーが合う馬やからね。その点、僕はあの馬にあっとると思うし、あの馬をわかっていると思います。去年は僕が乗れへんかったけど、何より大ケガせんで良かったわ。この前は“また(怪我をした)か”と思ったわ。でも、まだ膝は歩いてたら痛い。(膝あての)スポンジを入れてんねん。でも、馬に乗っているときは痛くないけど。
－：捻ったんじゃないですか？
太：捻ったんや。落ちる時に分かった。キュッと捻ったんやろね。痛かったわ～。メッチャ腫れだしたから、「靭帯か何か切れてんちゃう。(病院に)行った方が良いよ」と(元バレットで整体師の)坂上君に言われて、止めたんや。MRIでちゃんと調べてもらったけど、大丈夫やった。去年、病院に行ったのと2日違いやって、怖いね。何でやろ。それも5回京都の初っ端で、去年と一緒や。
－：もしかしたら、2日違いという時期も丸っきり一緒で、去年乗れなくて今年は乗れているということは……？
太：それが良かったね。まずは乗れる。舞台に立てる、というのはチャンスがある訳ですから。
勝つために太流の調教を敢行中
－：今年の近5走は全部掲示板に来てるように、着順の面でも安定してきました。何か変わってきたところはあるのですか？
太：去年の重賞を勝った時は俺、セコく乗ってるで。3～4コーナーは落ち着いてジッとしながら乗って。それが今は外を回って来てる。外回りは付いていかんかったやん、昔ね。でも、普通の競馬をして付いていってるからね。
－：やっぱりそこは？
太：変わった。力を付けてきたんやね。
－：京都の平安Sでも、斤量差があったとはいえ、苦手な京都でニホンピロアワーズに差を詰めてましたしね。あれを見て、この秋は少し違うんじゃないかなと？
太：うん、そうやね。休み明けは全然走んなかったのに、2着に来たもんね。
－：元々は叩き良化型ですよね？
太：うん、そう。よう乗ってる。今日(20日水曜)も(坂路で)61(秒)やった。調教は任されているし、普段なら65くらいのところを、ちょっと調整して、それくらいの時計にしとるんですわ。
－：調整して15－15の範囲ぐらいという感じですね？この馬が右トモがちょっと弱いのでしょうか？
太：いや、そんなことはない。これはどうもない。
－：それでも、前は歩様が硬かったんですよね？
太：硬かった時もあったね。今は全然そんなことはないよ。そう、昔に比べたら、コズミがなくなったのもあるねえ。
－：けっこう前の話ですけどね。芝を使っていた頃ですかね？
太：そうだったっけ。でも、そりゃあ、これだけスピードがないんやから、芝じゃアカン馬やろね。
－：ダートでも速い脚がないですもんね。ダートでちょっと負担が軽くなってきて、それなりにダートをこなせる力も付いてきたということですか？
太：そうそう。
－：ペース的には流れた方が良いのですか？あんまり速い時計になっちゃうといけないですか。でも、差し馬ですからね。
太：前潰れの展開が良いんやろうね。
－：結構、例年このレースは速くなるというか、ダートですから、それなりに前に行く馬がいると思います。今年は苦しい一年でしたが、なんとか巻き返してほしいところです。
太：今年1年はケガに始まって、何か調子が悪かったね。中央入ってから、今年が一番調子が悪かったね。
－：数字的には入ってから1番か2番目に良くないかもしれませんね。
太：良くない。勝ってないわ。よう重賞を勝てたと思う。正直、重賞も勝てんなと思っとったもんね。
－：最後に体重が春より若干増えているのは関係ないですか？ 508から、前回が516ですけど？
太：多分、絞れた方が良いわね。もっと絞れた方が良い気がするんやけどなあ。
－：いよいよJCダートです。レースへ向けての締めの一言をお願いします。
太：今年一番の勝負やから、頑張ります。｢今年最後の大一番、どないかしたいです｣と書いといてや。
※JCダート直前の小牧太騎手の声は11月30日(日)公開のコラム「夢の途中」で公開予定です！
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■最近の重賞勝ち |
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地方・園田競馬のトップジョッキーとして活躍。園田競馬に在籍していた頃にも、ローズキングダムの母であるローズバドでフィリーズレビューを制す。04年に中央に移籍すると、08年には桜花賞で涙のGⅠ制覇。 橋口弘次郎調教師の管理馬に騎乗する事が多く、所属こそしていないが、主戦騎手として活躍。なお、弟は元騎手で、現在は園田競馬の調教師の小牧毅。 |
