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西浦昌一調教助手

不気味な存在ケイアイレオーネ

-:抽選対象ではありますが、ケイアイレオーネ(牡4、栗東・西浦厩舎)の動きにも触れていただきたいと思います。

西浦昌一調教助手:前回は挫石の影響で、急仕上げでもありました。動けないこともないと思っていましたが、オープンクラスではしんどかったようです。しかし、その後はダメージも少なく、順調に稽古も消化しています。抽選に通ってほしいと思って仕上げてきました。

-:もし、抽選が通ったら、府中の左回り1600mという条件はいかがですか?

西:実際、500万条件の時に1600mを勝っていますからね。その時と比べてもパワーアップは歴然ですから。ちょっとハマり方がキツければ、しっかり走ってくれるのでは、と期待の方が大きいですね。

-:好走する条件があれば教えて下さい。

西:スタートを急かすと引っ掛かってしまうので、後ろ過ぎて気が乗らないなどありますが、うまく噛み合えば、タルマエを脅かす存在になると思います。

-:中団がちょうどいいということでしょうか。

西:府中のマイルは前が速くなるので、そこまでポジション上げなくても、最後に懸けてしまえば、たっぷりと直線があるので、良い競馬を期待したいです。


-:今週の動きはどうでしたか?

西:時計は上等でした。幸ジョッキーの感覚的に、前々走で使おうとした時の動きと比べると、ちょっと物足りない、とは感じていたようです。まぁ、1週前ですからね……。

-:では、あと1週間で、もうワンランクバリっと仕上げればいいですね。

西:スイッチがもう一段階入ってくれれば、と思っています。ちょっと長めも入れて、負荷をかけようか、どういう追い切りになるか、調教師が思案している最中ですね。

-:今週のポリの動きで79.4秒、終い11.2、これでもまだ、物足りないと……。

西:ちょっと物足りないと感じたみたいですね。時計だけ見れば、全然、上等なのですが。

-:では、もうワンランクスイッチを入れて、変わり身がどうか来週チェックしたいということですね。

西:そうですね。この馬も何とか出走させたいです。

-:来週は“西浦厩舎旋風”に期待しています。ありがとうございました。

●西浦勝一厩舎・西浦昌一調教助手インタビュー(前半)はコチラ⇒

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●東海S前・ケイアイレオーネについてのインタビューはコチラ⇒



【西浦 昌一】Syoichi Nishiura

昭和49年生まれ。西浦勝一調教師の3人兄弟の長男。当初はこの世界に入るつもりはなく、東京の大学に進学するつもりだったが「早く一人前になりたい」という思いから止まることに。当時はまだ西浦師の騎手時代で、父の思い出の馬を尋ねると「カツラギエースの時は小学校5年生くらいで、社宅の周りで自転車レースしていたんです。みんなおめでとうおめでとうって言って、何がおめでとうなんだろうなと。うちのオカンは騒いでるわで、凄いレース勝ったんだ位にしか思わなかった」と。

当初に所属したのは解散した星川厩舎で「当時ジョッキーだった本田さんと仲が良かったので、頼んだら入れてくれたという感じ。可愛がってもらえて、サンライズ系とか外車、サンデーなど走る馬ばっかりやらせてもらってました」。西浦厩舎は開業して1年後から15年間所属しており、現在は持ち乗り助手として活躍。毎日馬に接する時のモットーは「一緒に気持ちを分かってあげる、仲良くしているんだけど少しだけ優位に立っておきたい」。同世代に元騎手の飯田祐史技術調教師などがいる。


【高橋 章夫】 Akio Takahashi

1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて17年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。

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