この京都大賞典は物差しになる一戦

-:勝ち鞍のほとんどは牝馬限定戦ですよ。

塩:ローズSの時のように、宝塚記念では踏ん張る感じがまるでなかったです。

-:11着というとあれですが、12頭立ての11着です。

塩:踏ん張って負けたのなら、こっちも壁があるのかなと思うのですが、レースを見る限り、踏ん張った感じがまるでないので、どうなのかなと思います。

-:生理的なバロメーターは馬にしか分かりませんが、この馬はローズSから復活して、秋華賞、エリザベス女王杯と連勝しました。特にエリザベス女王杯の時は、僕らには特別良くは見えませんでした。秋華賞を獲りにいって、全力疾走した後で、どこまで残っているのかという疑問がありました。それでも強かったです。

塩:エリザベス女王杯が一番強い競馬をしたかなと思っています。

-:直前にグッと上がるという、調教過程からはレースでのパフォーマンスが判断し難い馬だと思います。

塩:良く見せている時の方がダメなのかもしれません。それとも、女馬同士から男馬の一流が入ると気負けするのか、どうなんでしょうね。

-:例えば、パドックを一番先に出て行って、ポケットで男馬と一緒に輪乗りせずに、他のところで待機しておくとか、何か策は考えていられますか?

塩:僕は全然です。その辺は先生やジョッキーを入れての話し合いですね。

メイショウマンボ


-:古馬牝馬のG1馬になった以上、戦えるステージも限られています。男馬を避けていては、1年間で使えるところが凄く限られてきます。

塩:今回は何とかしたいです。ローズSもそうでしたし、阪神が合わないのだとしても、京都は成績がいいので、男馬がダメなのか、阪神がダメなのかという物差しになるのかなと思います。着順よりレース内容で判断したいです。

「春は人間の方がちょっと不完全燃焼でした。なので、ちょっとスッキリしたいなというのはあります」

-:時期的には凱旋門賞があります。かつては凱旋門賞に行くという話もありました。

塩:そういう話も出ていましたよね。

-:見てみたかった気もします。行っていたら58キロを背負います。

塩:春があんな成績だったので、外国の話はとうの昔になくなり、秋はこっちでとなりました。また今年の秋に頑張って良い成績を収めれば、来年にまたそういう話が出てくる可能性はあります。

-:実績的には行けるでしょうし、馬場もこなせると思います。まずは国内で確固たる地位を築いて欲しいです。

塩:春は人間の方がちょっと不完全燃焼でした。なので、ちょっとスッキリしたいなというのはあります。

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-:得意の京都でスパッと結果を出して欲しいです。

塩:調教を見る限り、力落ちや、ピークを過ぎたという感じはないですからね。

-:それは誰も思ってないと思います。ただちょっと成績が安定しないのかなと。人は馬に振り回されるものですね。

塩:振り回されます。優等生ではないですからね。

-:それも馬の魅力の一つではありますよね。

塩:僕は優等生がいいです(笑)。でも、この血統でよく頑張っています。今が520くらいで見た目のボリューム感も良く、追い切りを見ていても迫力があります。

当日の雰囲気を見てからの取捨がオススメ

-:レース当日はプラス体重ですか?

塩:プラスで行きそうですが、宝塚記念の時もそんなことを言っていて、蓋を開けたら一緒だったので、当週になるまではどうとも言えないです。

-:塩見さんの気持ちとしては、ちょいプラスの方が理想的ですか?

塩:そうですね。1年前と同じ体重ではというのはあります。普段を見ていても、ガッチリとしたおばさん体形になってきた感じはあります。しっかりボリュームアップして、ナイスバディーになってきていますよ。

-:ファンの方がパドックで見たら分かるレベルでしょうね。

塩:肩幅とかが特にそうだと思います。今までは使ってポンッという感じだったのですか、今回は牧場の時から残っていて、良い感じできました。それを今のところ維持できています。今朝やる前に見たら、だいぶお腹がスッキリしたなと感じました。今日はしっかりやったので、放牧帰りのプニョンとしていたお腹が、だいぶシャープにはなってきています。もともと、飼葉はしっかり食べるので、明日量っても、そう大して減っている気はしないです。

-:減っているとしたら、日曜日くらいに量った方が、どれくらい減っているか分かりやすいかもしれないですね。

塩:毎週、追い切り後に量ります。今回も4回くらい量って増えていて、516、18、20、18とかですね。調教メニューから上がってきて、餌の量をちょっとずつ増やしていったりはしているので、普段の調教の影響がそんなに体重には出ないですね。レースが終わってもすぐに戻る馬で、2、3日したらレース前の体重に戻ります。当日の気の入りでキュッとなるんでしょうね。表舞台では落ち着いて見えますが、後ろではイッてなっていますからね。

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-:何とか春の悔しさを払拭するような内容を期待しています。

塩:今回は結果も内容も、去年の良い時の感じになってくれたら、人間ももうちょっと楽になるんですけど。

-:ファンとしては、宝塚記念の時のテーマだった、ポケットでの動きや、輪乗りの様子を注意する必要がありますね。

塩:馬券を買うのがギリギリになるかもしれませんが、分かりやすいバロメーターになると思います。パドックで歩いている分にはあんまり分からないかもしれません。

-:酷いフケになっている馬というのは、パドックで素人が見ても分かるくらいだと思います。

塩:宝塚記念の時は、舞台裏では「ああ、もう無理」って感じだったのですが、パドックに出るとそれなりにまとめたんです。

-:一番分かりやすいのはポケットでの様子ですか?

塩:そうだと思います。パドックでは隠しましたね。それで大丈夫かなとちょっと期待したのですが、ゲートの後ろに行ったら、これは終わったなとなりました。

-:秋は秋で、仕切り直しですね。秋の熟したマンボに期待します。

塩:落ちるギリギリの一番美味しい時で、去年の輝きを見せたいです。

-:3歳で古馬を打ち破っている実績馬ですからね。

塩:強い牝馬も出ていますが、秋こそ己との戦いです。

-:マンボ自身に集中して欲しいですね。ありがとうございました。

(取材・写真=高橋章夫)

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