桜の女王、気負いなく二冠目へ邁進 レッツゴードンキ
2015/5/17(日)
立場としては前回よりも気楽
-:まだ枠もどこに入るか分からないわけですし、今週、来週の府中の芝の状態も確認しないといけませんが、馬場の傾向はどう見ていますか?
梅:例年と一緒なのかなと。コース替りの今週もそうですが、直前まで傾向を見たいですね。オークス当日の朝もレースを観ておきたいです。
-:僕らファンとしては、凄く難しい、予想しにくいオークスになっているのです。
梅:我々も相手関係ではなくて、自分がどれだけリラックスして走って、直線まで脚が溜まっているか、なのでね。
-:レースではトライアビットを着けているのですが、2週前の追い切りは普通のエッグハミでしたか?
梅:エッグだったかな。今日はトライアビットで行っています。
-:いろいろとそういう工夫をされているのですね。
梅:普段からそれを着けていたら肝心な時に利かないから、普段は普通のハミですね。追い切りと競馬の時だけ着けるというのは、よその厩舎もやっていると思います。
-:その辺も距離をされてのことですか?
梅:そうですね。そのハミが利いているかどうかは馬に聞かないと分かりませんが(笑)。
-:桜花賞馬のオークス挑戦ということで楽しみにしています。桜花賞の馬券で儲かったファンもいると思いますので、メッセージを最後にお願いします。
梅:桜花賞を勝って格的には出走馬の中では一番上にいるかもしれませんが、距離への挑戦ということも含めてチャレンジャーの立場です。「気楽」といったら怒られてしまいそうですが、凄くリラックスしていけるので、それが競馬でいい結果に出ればと。また応援していただきたいですね。
-:先生にとっては悩ましい1週間になりますね。
梅:桜花賞を獲ったことによって、逆にプレッシャーはないですね。桜花賞の時はG1を獲っていないので、「獲りたい獲りたい」という思いがありましたが、今度は距離も長いし、桜花賞を獲ったところで1番人気にもならないでしょう。気楽な立場は変わらないというか、前回より気楽ですね。
-:デビューは札幌1800なので、先生もどちらかというと長めの距離を意識してのデビューでしたか?
梅:いやいや。逆、逆。最初に1200に行っていたら、1200しか使えなくなると思ったからです。これはウチの親父(レッツゴードンキの母マルトクなどを管理した梅田康雄元調教師)から聞いていたのですが、使うとこの血統は距離が短くなってくると。だからあえて長めで。
-:でも、その新馬戦を……。
梅:新馬戦は馬も競馬の「ケ」の字も知らない状態で走って、ただ馬場をぐるっと回ってきた感じだったので。
-:その1勝がこの馬の持っている素質というか、本能的な部分が出ているのではないですか?
梅:新馬の時にみたいにポヤーンと出て、2~3番手くらいで、リラックスして走ってくれたらいいと思います。
-:楽しみにしています。
梅:ありがとうございます。
(取材・写真=高橋章夫 写真=山中博喜)
●レッツゴードンキ・梅田智之調教師インタビュー(前半)はコチラ⇒
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プロフィール
【梅田 智之】Tomoyuki Umeda
父はマイルCSを2連覇したダイタクヘリオスなどを育てた梅田康雄調教師。競馬学校厩務員課程を経て、96年から西橋豊治厩舎に調教厩務員、調教助手として所属。06年から厩舎を開業。12年の大阪杯をショウナンマイティで制して重賞初制覇。昨年秋、アドマイヤラクティがオーストラリアのG1コーフィールドCを制してG1初制覇が海外G1という快挙を達成。続くメルボルンTで非業の死を遂げるも、レッツゴードンキが重賞で活躍。桜花賞で見事にJRAG1初制覇を達成した。
1969年滋賀県出身。
2006年に調教師免許を取得。
2007年に厩舎開業。
初出走:
07年3月10日 1回中京3日目11R エミネンツァベルタ
初勝利:
07年4月7日 2回阪神5日目5R メイショウハナミチ
【高橋 章夫】 Akio Takahashi
1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて18年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。
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