昨年のスノードラゴンでブレイクを果たすと、次々にG1級の素材を大レースに送り込んでいる高木厩舎。東京大賞典に参戦を決めたサウンドトゥルーも代表する1頭だが、年始早々には中山金杯にマイネルフロストもスタンバイしている。2015年はキャリアハイの勝ち星を積み上げた高木登調教師に、前述2頭の手応えと成績向上の根源を聞かせてもらった。

好走パターンは明確なサウンドトゥルー

-:東京大賞典(G1)に出走するサウンドトゥルー(セ5、美浦・高木登厩舎)についてお聞かせください。前走のチャンピオンズCの走りを振り返っていただくと、いかがなものでしたか。

高木登調教師:あのような展開を予想していたので……。スタートは良いのですが、二の脚がないので、その辺りがどうなのかなと思っていたら予想が的中してしまいましたね。「前にノンコノユメがいるかもしれない」という話はしていてノンコが外に持ち出すのかなと考えていたので「一か八か詰まってもいいから内に突っ込んじゃおうか」と。でも、実際内は全く進路がなくて外に持ち出しましたから。まあ、それはしょうがないと思います。

-:しかし、外に持ち出した時は良い伸びを見せてくれましたよね。

高:そうですね。1、2着は内をしっかり回っているので、外に出した分負けたのかな、という気持ちはあります。

馬名

▲チャンピオンズCでのサウンドトゥルー(左から2頭目)


-:レース後の馬の状態というのはどのようなものですか。

高:反動が怖くて使うかを1週間待ちましたが、大丈夫だと判断して東京大賞典に出走することにしました。

-:中間の過ごし方を教えてください。

高:元気に過ごしています。少しピリピリしているくらいで、ソフトに2本くらい稽古をつけました。明日(12/26)最終追い切りをやって本番に臨みます。

-:以前インタビューをさせてもらった時には、稽古ではさほど動かないと。歩様に柔らかみがあるかどうかで馬の状態が分かるともおっしゃっていましたが。

高:そうですね。この馬は分かりやすくて、少しでも負担がかかると硬くなってしまうのですが、それが無いので良い状態をキープできていると思います。


「距離が2000mということで、追走は楽でしょうし、レースはしやすいとジョッキーとは話していました。あとは流れがね……。『そこはお願いします』って感じです(笑)」


-:今回は東京大賞典ということで、JBCクラシックと同じ条件ですが、レースに向けての見通しはどのようにお考えでいらっしゃいますか。

高:距離が2000mということで、追走は楽でしょうし、レースはしやすいとジョッキーとは話していました。ある程度バラけてくれればコーナリングがスムーズに行くかなとは思っています。あとは流れがね……。「そこはお願いします」って感じです(笑)。

-:サウンドトゥルーの活躍であったり、JBCレディスクラシック(Jpn1)を勝ったホワイトフーガなどJRAでの年間勝利数が23勝、地方で3勝と過去最高の成績を挙げられていますが、この1年間を振り返るといかがなものでしたか。

高:勝った馬もいますが、悔いの残る馬もいるので、そちらの方が印象に残っていますね。

-:もっとやれたと。

高:そういう気持ちはあります。それを肥やしにして伸びていきたいと思います。

新年はマイネルフロストで好スタートを

-:来年も競馬は続いていくということで、次は中山金杯(G3)に出走を予定しているマイネルフロスト(牡4、美浦・高木登厩舎)についてもお聞かせください。

高:使ってきて状態は上がってきているので、好レースはできるかなと考えています。

-:前走の走りをどのように捉えましたか。

高:上がり勝負みたいなところがありましたね。そんなに切れる脚があるわけではないので……。内目で詰まっている方が最後脚を使うのですよね。折り合いはつくのですが、外を回されている分脚が溜まらない部分が出てくるのです。内で溜めることができればピュッと伸びてくれると思います。

-:中間の調整の方はどうですか。

高:順調に来ていますね。水曜日にしっかりやって、来週31日の最終追い切りはサラッとでいいかなと思っています。

-:中山2000mのコース適性に関してはどうお考えですか。

高:コースを選ばないですし、レースも上手なので問題ないかなとは思っています。内で脚を溜められるかが鍵ですね。

-:最後に気が早いですが2016年に向けての抱負を語ってください。

高:だいぶ粒は揃っていますので、更なる飛躍を目指したいと思います!

-:ありがとうございました