春の開花へ好ステップを マイネルラフレシアとクラシックへ
2016/1/10(日)
クラシックを意識しながらの仕上げ
-:競馬ラボではすっかりお馴染みの大知さんですが、改めてよろしくお願いします。京成杯(G3)に出走するマイネルラフレシア(牡3、美浦・高橋裕厩舎)について、まずは前走、東京スポーツ杯について振り返っていただきけますか。
柴田大知騎手:スタートがよく、外からかぶされてスローに落とされるのも嫌だったので、少し促す感じでいきましたが、思ったよりも他の馬が出して来なかったので、前に出る形になってしまいました。1頭ハナに行くだろうと思っていた馬がじわじわ出てくる感じで、もっと早く行ってほしかったのですが、かえってスローペースをいいところで進められてよかったかなとも思います。最後はこの馬も反応して脚を使っているところを交わされたという感じ。相手も強かったですからね。
-:ラフレシア自身の走りで言うとどうですか。
大:キチっと走っていますし、力は出し切っています。あとは、もっと色々を経験させてもいいのかなという感じはしましたね。ふわっと走らせて脚をタメて、最後ちょこっと差す、タメ気味の競馬でどれだけキレるかというレースも、瞬発力があってできそうなので。まだどういう型がいいのかというのは探りながらなので、今回ももちろん勝ち負けすればいいですが、それよりも次に繋がる内容のある競馬ができればいいかなと思いますね。
-:この中間、京成杯に向けて何度か調教に乗っておられますが、どういったところにポイントを置いて調整をしていましたか。
大:このレースに向けて100%きっちり仕上げてというわけではなく、うまくステップレースとして次にいけるように整えながら、という感じですね。ある程度は仕上げますけど、何が何でも勝ちにいくというような仕上げではなく、いくらか余裕を持たせています。どうしてもカイバの食いが細かったり、体が増えてくるタイプではないので、その辺も考えながら、目標のレースで1番良いパフォーマンスができるように仕上げていっています。
-:精神的には何か訓練を施したり、というところはありますか。
大:すごく素直で、性格がいい馬なので、馬の後ろで我慢させるというような事もやればすぐにできますから、 あまり心配はしていないですが、いざ競馬に行ったときに我を忘れないよう、普段の追い切りなどではちょっと我慢させてみたりなどはしています。
-:そういうシチュエーションに慣らせておこうと。調教で馬の後ろにいる時の様子はいかがですか。
大:どちらかというと寂しがりやな馬なので、馬が前にいたほうが安心して走っている感じがしますね。以前は1頭になったときにすごくキョロキョロして全然進まなくて。たまに1頭で乗るようなこともして、今はどちらでもちゃんと走るようになったので、すごく安心して乗っています。
-:フラフラするというよりは周りが気になるという感じだったのですかね。
大:もう不安なんでしょうね。「あ~、馬がいないのかな~」みたいな感じで馬を見つけにいくという(笑)。どの位置にいても上手に競馬できるようになれたらと思います。
右回りで距離延長も不安なし
-:1週前追い切りはウッドで行なったということですが、先生からの指示、実際の内容、乗られての感触などいかがでしたか?
大:前で併せ馬をしてもらって、それを追いかけていく形でした。最後しっかり追って併入と、いい内容でしたね。しっかり中身をつくるような、息を整えるような調整で、これで大丈夫だと思います。
-:ここまで3戦していますが、調教の動きとレースの動きが連動するようなところはありますか?
大:調教に乗って速いところに行くと、すごくいい走りをするのですが、レースでも調教と同じように頑張ってくれます。
-:調子の波を感じるところはありますか?
大:あまりないですね。ここのところ全然不安なくレースに行けていますし、中間乗っていて今日はよくないなと感じることもありませんでした。
-:そのあたりも踏まえて、現状のセールスポイントというのはどこにありますか。
大:仕上げやすいですし、性格がいいので乗っていても安心です。こういう展開になったら嫌だなとか、あまりそういう心配がないですね。調整もしやすくて競馬も乗りやすいし、今のところ注文が特につかないところですかね。
-:ここまで3戦が左回りの1800m、今回は右回りの2000mとなりますが?
大:いつも右回りのウッドで追っていて反応できていますし、手前も上手に替えますから特に心配することもないです。
-:それでは今後に向けて、ひとつ意気込みをお聞かせください。
大:能力が高いと思いますし、このところ本当に力つけているなというレースをしています。ここでいいレースをしてクラシックに繋げていきたいなと思います。自分のコラムでも、木曜の更新で改めて意気込みを書かせてもらいます。
プロフィール
【柴田 大知】Daichi Shibata
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。
1977年6月18日 栃木県出身。
1996年 騎手デビュー。
2011年 中山グランドJでG1初制覇
2015年8月 中央通算300勝を達成
JRA初騎乗:
1996年3月2日1回 中山3日 1R フジノコハギ
JRA初勝利:
1996年3月31日2回 中山4日 5R ライトオンファイア