青写真どおりのステップで最適条件へ 一発ムード漂うマリアライト
2016/6/19(日)
春3戦は狙い済ましたローテ
-:宝塚記念(G1)に出走するマリアライト(牝5、美浦・久保田厩舎)について聞かせてください。まず、直前にインタビューもさせていただきました有馬記念(4着)を振り返っていただきたいのですが?
久保田貴士調教師:馬がシッカリしていて状態も良くて、大外のちょっと不利な条件から上手く流れに乗って、見せ場はタップリあったかなと思いました。
-:有馬記念を終えてから、2016年はどういう予定を立てられたのか教えてください。
久:この春3戦は日経賞から始動して、目黒記念に行って宝塚記念というのは決めていた路線です。この馬の場合は、やっぱり距離適性である2000m以上の2200m、2400mなどを考えた時には、ここら辺りのレース選択になるかなと。
-:最初に狙われた日経賞は3着という結果でしたが、こちらの内容やその当時の状態については、どのようにご覧になられていましたか?
久:休み明けでも高いレベルでは安定していましたね。でも、その有馬記念1、2着馬と競馬をしてみて、そんなには負けていないのですが、やっぱりちょっと力の差があるのかなと。相手もグランプリでワン・ツーの強い馬ですからね。だから、もうちょっと何かの助けが欲しかったというところでしょうね。
今年緒戦の日経賞では3着だった
-:前走も予定されていた目黒記念を使われましたが、こちらのレースはいかがだったでしょうか?
久:ここは、本当はできれば勝ちたいと思っていたんです。まあ、ハンデ差の分かなという……。でも、自分から勝ちに行っての競馬をして、斤量的にも背負っていましたし、離されずに差し返しての2着に頑張ってくれたので、改めて力を付けているなというのは感じたレースでしたね。
-:道中で不利を受けるようなシーンがありましたね。
久:ちょっと1コーナーでリズムを崩すようなところもあったし、直線でも寄られるようなところがあったのでね。
-:前哨戦はそれだけ厳しいレースだったのかなという気がするのですが、レース後の馬の状態というのはどうですか?
久:全然、回復は早かったですね。今回はレース間隔も狭いので、いつものパターンと違って在厩させて調整していますけど、体の方も良い感じでフックラ見せているし、シッカリ調教もできているので、良いと思っています。
目黒記念では不利もあり2着 引き上げてきた蛯名騎手もぶ然とした表情を浮かべた
強敵相手も一発を狙う宝塚記念
-:今日(6/15)はウッドで追われたということで、この狙いと動きの評価をお願いできますか?
久:前の馬を目標にしておいて大きく追走させました。いつも勝負所でワンテンポ反応が悪くなるようなところがあるので、早めに3ハロン過ぎからちょっとピッチを上げてみて、直線で伸ばしました。目標にしていた馬は早々と抜き去りましたし、非常に大きい動きで、前走の追い切りの時以上に良い動きをしてくれていましたよ。
-:「反応に課題がある」ということでしたが、そちらの方はいかがでしたか?
久:今日は本当に馬の走るバランスも良くなって、非常に満足のいく動きでしたね。
「(昨年のマーメイドSの頃は」関西圏への輸送や馬体の細化など色々心配していた時期ですが、大きな舞台も色々経験させてもらって、今はそういう心配もないし、ドッシリとしてきてくれているので」
-:これが1週前の追い切りで、この後は馬の様子を見ながら、ということになると思いますが、この後の調整予定というのは、どのような形になりそうですか?
久:あとは、週末と来週ぐらいなのですが、大体、もう今週でできているので、来週は単走で気持ち良く走らすぐらいの、いつものパターンでやろうかなと思っています。
-:去年のこの時期はマーメイドS(2着)に出走されていましたが、その頃と比べて、何か馬が変わってきたことはありますか?
久:あの頃は関西圏への輸送や馬体の細化など色々心配していた時期ですが、大きな舞台も色々経験させてもらって、今はそういう心配もないし、ドッシリとしてきてくれているので、去年のこの時期の心配事はなくなってきていますね。
-:最後にレースに対する意気込みを聞かせていただけますか?
久:春のグランプリと言われるだけあって、海外遠征帰りなど強力なメンバーが揃っていますけど、この梅雨の時季で馬場などがマリアライトに味方してくれれば、と思っています。一発狙って向かうつもりでいます。
-:健闘を期待しております。ありがとうございました。
プロフィール
【久保田 貴士】Takashi Kubota
父は1993年の桜花賞、オークスで2着となったユキノビジンを管理した久保田敏夫調教師。学生時代は馬術の選手として数多くのタイトルを獲得。1992年に美浦・柴田欣也厩舎の厩務員となり、高橋祥泰厩舎の調教助手時代にはタイキフォーチュン、サウスヴィグラスなどの調教に携わった。2003年に厩舎を開業し、3年目より11年連続20勝以上。2007年と2009年には優秀調教師賞を受賞し、昨年のエリザベス女王杯をマリアライトで勝ちG1トレーナーの仲間入りを果たした。
1967年茨城県出身。
2002年に調教師免許を取得。
2003年に厩舎開業。
初出走:
2003年 3月9日 1回 中京2日 1R ファカルティー・5着
初勝利:
2003年 4月19日 4回 中山7日 1R ケイツーウイン