5歳春からの7連勝で一気に南関東のマイル路線でトップに立ったソルテ。今年6月のさきたま杯では中央馬相手に見事な逃げ切り勝ちを収めた。今回はフジノウェーブ以来9年ぶりの地方馬によるJBCスプリント制覇を狙う。全国を渡り歩く大車輪の活躍を見せ、悲願の交流G1制覇が懸かる主戦の吉原寛人騎手にレースに向けての意気込みを語って頂いた。

初めての川崎1400mは不安よりも期待

-:よろしくお願いします。ソルテ(牡6、大井・寺田新厩舎)には初めてコンビを組んでから、今まで跨っていらっしゃいますが、当時と今との違いはどの辺りでしょうか?

吉原寛人騎手:2014年のマイルグランプリで初めて跨らせてもらって、勝てなくて4着だったのですが、ワンパンチ欲しいという印象が素直なイメージ。しかし、キッカケさえあれば連勝できる雰囲気の馬でした。次の年、そのワンパンチが見事に嵌まるようになって、最後の直線でも1段上のギアを入れることができるようになりました。馬の成長もあって体重も増えましたし、本当に厩舎スタッフの賜物ですね。馬が力を付けてきたのだと思います。

-:今年のJBCスプリントは川崎の1400mですが、この条件をソルテが走るのは初めてです。コース適性に関してはどうお考えですか?

吉:マイルは経験して圧勝しているものの、1400は初めてなのですが、全然悪いイメージはないですね。川崎の初めのカーブはすごくキツいですから、他の馬が躊躇するところをスムーズに走れる馬なので、逆に向くのではないでしょうか。その辺りで上手く差を広げられれば良いですね。

ソルテ

▲吉原騎手とのコンビで初重賞制覇となった昨年5月の川崎マイラーズ

-:吉原騎手自身が、川崎開催で意識されていること、騎乗時に気を付けていることはありますか?

吉:正直言うと、まだ克服できていないというか、川崎コースはこう乗れば良いという、自分の中での強みは見つけ出せていない気がします。僕としては、南関東の中で一番難しいコースだと思っています。

-:ちなみに、ソルテは戦績の半分以上が重馬場で走っているのですが、馬場適性についてはどうでしょうか?

吉:他の馬が苦戦する時にも崩れず走ってくれるというところが、好成績に繋がっているのだと思います。環境には全く不安はないですね。本当に(南関東)4場全て平均して走ってくれているので。

ソルテなら中央馬も恐れるに足らず

-:今回も、ある程度前に行くことが条件になると思いますが、どのようなレース運びになりそうですか?

吉:本当にスタートだけ集中させて、今までの競馬もそうさせてきました。前回もしっかりとスタートが切れて、やっぱりダート界では1400からマイル辺りのスピードでは一番速いのではないか、と思うくらいのトップスタートを切ってくれるので、それを長所として活かしていきたいと思いますし、実際前に行くレースをしてきていますからね。

-:今まででこれが一番強かった、という勝ち方を一つ挙げるとしたらどのレースですか?

吉:交流重賞のさきたま杯を勝った時ですね。これがソルテの強さだぞ、というところを見せてくれたと思います。

ソルテ

▲G1馬相手にさきたま杯を快勝 地方トップマイラーの底力を見せた

-:その一番の強みはどこですか?

吉:本当にスムーズな無駄のない走りをしてくれるところですね。頭も良いし、ハナに立ってからも力むことなく走ってくれますから、最後までしっかり上がりをまとめてくれる。その集大成がさきたま杯でした。

-:本番まで残り僅かですけが、不安点、課題はありますか?

吉:まあ、アクシデントさえなければ大丈夫だと思います。

-:枠順に希望はありますか?

吉:あんまり1枠とか極端な枠じゃないほうが良いですね。

-:悲願目前ですが、改めてこのコンビでG1制覇を目指す意気込みをお聞かせ下さい。

吉:ソルテはG1を獲ることが目標に、今年一年やってきましたから、惜しいかしわ記念(②着)もありましたし、状態が良いうちに何とか結果を出したいですね。今年はJBCスプリントが最後という気持ちで挑みたいと思います。今は楽しみの方が多いですね。

-:中央馬も怖くないですか?

吉:既に負かしている馬も多いので、ソルテらしい競馬をしてくれればそんなに気にしていません。結果は出せると思います。

-:最後に、ファンの皆様に一言お願いします。

吉:JBCの日はJBCの3つ全てに騎乗しますので、ぜひ競馬場まで来ていただいて、勝つところを観ていただきたいし、応援していただければ嬉しいですね。

-:ブルーチッパー(レディスクラシック)とユーロビート(クラシック)ですね。

吉:はい。応援よろしくお願いします!