中京2歳Sを鮮やかな差し切り勝ちで、2勝目を挙げたディーパワンサ。目標の阪神JFへ向け、次なる舞台として選択したのはデイリー杯2歳S。混合戦で一気にメンバー強化となるが、人気を集めることは必至。今年が初年度産駒となるダービー馬ディープブリランテの代表産駒として活躍を続ける2歳牝馬の秋始動戦に注目した。

上がり最速で制した中京2歳S

-:デイリー杯2歳S(G2)に出走するディーパワンサ(牝2、栗東・松下厩舎)ですが、まず、デビュー戦はスタートからジョッキーの手が動いていたので、少しヒヤッとしましたね。

松下武士調教師:気性的におっとりしているので、進んでいかなかったですね。でも、スピード乗ったらその後は安定していました。

-:レースを見る限り長く脚を使えるタイプかなと思いました。そこに関してはレース前から掴んでいたところですか?

松:調教の段階で時計が出ていたので、楽しみにしていました。でも、調教と本番が直結しない時もありますからね。

松下武士

▲開業2年目の今年は初年度のダブルスコアに迫る勢いの松下武士調教師

-:2戦目はルメール騎手でしたね。しかし、出遅れてしまったものの、ジョッキーは無理に前に行く事はなかったですね。その辺りの作戦などお話はされていましたか?

松:いえいえ、もう全て任せていました。1度使った事で行きっぷりも良くなっていたので、スッと流れに乗ってくれました。

-:レース後の雰囲気はいかがでしたか。

松:新馬の時よりも今回の方がダメージが少なかったです。424kgで使って、火曜日414kgで10kg減りました。今回は422で使って、420でマイナス2kgだけだったので、競走馬としてしっかりしたのかなと思います。

父ディープブリランテの代表産駒としての期待

-:父はディープブリランテで、今年新種牡馬ですね。体付きが少し丸っこい体の仔が多いイメージです。ディーパワンサも似た雰囲気で、マイラーっぽい感じですね。距離適性に関してどう見られていますか?

松:引っかかったりはしないので、(距離は)全然こなしてくれると思いますよ。精神的にもドッシリして度胸あります。

-:ディープブリランテ産駒の活躍が増えた気がしますね。

松:勝っていますね。完全に当たりを引いた感じですね。

-:ディープブリランテ自体はすごく掛かる馬だったと思います。右回り、左回りでもちょっと掛かり方が違ったりしましたが、この馬はいかがですか?

松:それはないですね。

-:阪神JFや桜花賞に向けて、調整はしやすいですね。中間はソエが出たとの話も耳にしました。

松:重たい症状ではなかったので、問題なかったです。時期的に成長痛みたいなものですから。


「全体的にボリュームアップしました。数字でボンと増えています。そんなに太く見えないので、成長分と見ていいですね」


-:一旦、牧場でリフレッシュしたかと思うのですが、厩舎に戻ってきたのはいつですか?

松:3週前の木曜日ですね。

-:前回、先生に聞いた時は「17日前入厩くらいが一番調整しやすい」という話をされていたと思います。

松:ええ、もう、牧場での調整は出来ていたとの事で早めに来ました。

-:中間は牧場で確認されていたと思うのですが、前走で大きく成長したところはどこですか?

松:全体的にボリュームアップしました。数字もボンと増えていて、今週の火曜日の調教後でも440kg台。(前走の中京2歳Sの)競馬は422kgだったのでね。

-:体重的にも大きく成長してレースを迎えそうですね。

松:調教後の440kg台なので、10kgくらい増えるでしょうね。そんな太い感じもないし、本当に成長分と見て良いんじゃないでしょうか。(ノーザンファム)しがらきの担当の人は「ちょっと(背が)高くなった気がする」と言っていて、でも、そんな大きくグンと伸びた訳じゃないですけどね。

松下武士

▲9日、当週はCWで古馬1000万のロードボアソルテを外から抜き去った

-:その辺りもちょっと成長が見られるのですね。戻ってきてのカイバ食いはいかがですか?

松:頑張って食べているかなと。もともと食いが良い訳じゃないので。食べないことはないですけど、そんなにバリバリ食べる感じでもないですね。でも、その割には食べているかな。

-:では、1週前の追い切りの動きはいかがですか?

松:内容は良かったですね。

-:(CWで全体が)82秒で終いが12秒という形で、シッカリ追われていたようですが、イメージとしてはここまで中間の感じはいかがですか?

松:本当に順調です。日曜日は坂路でやって見て、その後を決めます。

-:1週前はビッシリやっているので、当週は少し様子を見てということですね。

松:馬場で85秒ぐらいで終いを伸ばしても良いし、坂路でサラッとでも良いですね。