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－：前走後の過ごし方を教えていただけますか？

菊：競馬しているというのは本当に直線だけだからね。でも、それなりには競馬で走っているんですけど、思ったよりも回復は良かったですね。その週の土曜日辺りに坂路に入れて乗り出していますけどね。あんまりリラックスさせると元気が良過ぎちゃうので、これはアカンなと思って。

今週の1週前追いはけっこう過酷でしたよ。昨日(5/4)も坂路2本で、2本目は15－15で行っているので。今日はウッドコース1回りで、ウッドコースに行くものだから速いところをやられるんじゃないかという気合ですから。馬が分かっているから、それで心拍数を上げて、もう1本は坂路でという感じで、フゥ、フゥと中身は昨日、今日でけっこう応えるというか、良い負荷は掛かっていると思いますよ。坂路2本にしようかなと思ったのですが、馬が何か坂路2本に慣れちゃって、ダメだなと思って。朝、ウッド1周してからにしようと言って。

－：違うパターンでということですね。あまり気を抜かすと馬体重が増えちゃうのですか？

菊：牧場に帰ったら、アッという間に500キロ超える。だから、福島牝馬Sの時も一旦放牧に出したけど、アッという間に500キロになっちゃうから、ヤバイ、ヤバイと。今は立派な体になっちゃっていますからね。立ち写真を観てもらって判断されたくないのです。ボテッとしているからね。緩さや余裕はあるけれど、それは輸送をして競馬場に行ってみないとね。我々は変わり方を知っているのでね。

－：もちろんそれを計算した上でつくっていくということですね、

菊：そうですね。

1週前の立ち写真。気になる馬体診断は馬体FOCUSにて→

－：今回は以前クイーンCで勝った東京のマイルですが、改めて今のウキヨノカゼの状態で、この舞台設定というのはどのようにお考えですか？

菊：去年のヴィクトリアマイルとはちょっとデキも違うし、7歳だけど勢いもある。あとはメンバーですかね。去年みたいな高速馬場だとちょっと……。勝ち時計が1分31秒台なんて馬場はさすがに苦しいとは思いますけどね。

－：それなりに時計の掛かる馬場で？

菊：時計というか、スローなら良いですね。スローならあまり離れないで付いていけるので、瞬発力勝負で。去年は平均よりずっと速くて、上がりも速くてというのは追走も大変だし、脚も溜まらないという感じで。上がりに関しては持ってこいなのですが、全体時計の速いラップを刻まれるとちょっとなあという心境ですね。

－：ちょっと厳しくて、追走が苦しいということですね。だったらスローで瞬発力勝負の方がまだ良いと。

菊：中団くらいにいて、あとは捌いて直線だけというのだったら、そんなにヒケはとらない感じはしますね。

－：レースまで1週ありますが、来週までの調整でこういうところに気を付けていきたいというところがありましたら教えてください。

菊：以前は、本当に直前はソフトな感じでやっておかないと、テンパっちゃったものですが、福島牝馬Sの感じだと、今だったら直前もそれなりに気の入ったような稽古をして良いかなと感じましたけどね。それは、馬がそういうのを分かってきて、直前にあんまりソフト過ぎると競馬に気が入らないというか、ボケっとしちゃって。だったら、ある程度負荷というか、時計を抜きにして気を引き締めるやり方をやろうかなと思っていますけどね。

－：レース間隔が詰まっているとは言えど、そういう気持ちの面では？

菊：もう熟女というか、大人の女馬になってきたと思いますし、気を競馬に上げていきたいなというような感じはありますね。

－：改めて、最後にレースへの意気込みをお願いします。

菊：もう馬主さん孝行な馬ですよね。この子はまた夢を叶えてくれるのですよね。重賞にしても、キーンランドCの時もそうですし、オーナーが「ヴィクトリアマイルに出したい」と言うと出て来られるし。オーナーは競馬が大好きな人なので。

菊沢調教師と四位騎手の間に國分純オーナー

－：それでは、長い休みを挟んで、またこうして元気にやれることは嬉しいですね。

菊：そうなんですよね。國分先生には開業の時からお世話になっているんですけど、ウチのオオタニジムチョウという馬で初めて特別を勝って、そうこうしているうちに重賞まで勝って。生産者もミホノブルボンを生産された原口圭二さんで、仲間もすごいのでね。ブルボンのファンもウキヨノカゼのファンになるし、そういった人の気持ちがすごいヒシヒシと伝わってきます。本当にウキヨノカゼは、普通のオーナーだったら1年9カ月も休んだら諦めますけどね。

－：しかも牝馬だから、繁殖に上げてという選択肢もありますしね。

菊：僕はいつも「もう繁殖にしましょうか」と言っているんですけど、オーナーは「もうちょい」とおっしゃって(笑)。

－：「もうちょい」が福島牝馬S勝ちで、さらに去年以上の態勢でヴィクトリアマイルを迎えると。

菊：はい、そういうことですね。まだ自分の引退まで先は長いですけど、多分、僕が調教師を辞める時も、忘れられない1頭になるんじゃないですかね。

－：分かりました。良いお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

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